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俺が創った新世界は予想通りのものだった。
スカイウォールの惨劇からの10年間は書き換えられ、人々は平和な日常を送っているようだ。
仮面ライダーも、エボルトも、この世界には存在しなかったことになっている。
そして桐生戦兎という人間も、この世界には存在しない。
香澄さんと氷室首相は生きているし、マスターと美空は楽しそうにnascitaを経営しているし。
…万丈も俺のことを覚えていないし。
記憶があることがこんなに辛いだなんて。
以前は記憶を失っていた俺だけが、全てを覚えている。
こんな皮肉な話、他にあるだろうか。
きっと一海も、玄徳も、紗羽さんも、Aも、俺のことは覚えていないだろう。
(卵焼き、楽しみにしてたんだけどな)
すっかり様子の変わってしまった街を歩きながら、最後に何も言ってやれなかったことを悔やんだ。
＊＊＊＊＊＊
一海に教えてもらった、Aが落ち込むとよく来るという河原に座って空を眺める。
名前だけでも覚えていたりしないだろうか。
美空も俺に見覚えがあるようだったし、少しくらいは期待していいだろうか。
｢げ、先客だ｣
ぼーっとしていると、何度も聞いたことのある声が聞こえた。
この初対面の人間に対する無遠慮な物言い。
間違いない。
振り返って確認すると、そこには思った通りの人物が立っていた。
Aがあの日着ていた服を着て、立っている。
思わずその姿を凝視してしまう。
普通なら不審に思われる行動に、Aは微笑んだ。
｢あんた私のこと知ってるの？｣
それは見知った、心を許した相手にしか見せない貴重な笑顔。
俺がこの顔を見るのにどれほどかかったことか。
スカイウォールがなくなったことでAの人格にも何らかの影響を与えたのかもしれない。
｢時々あるの。知らないはずのものに見覚えがあったり、妙なデジャヴを感じたり｣
俺の隣に座って｢前世ってやつかな？｣と聞いてくる。
｢もし私のこと知ってるんだったら、あんたの知ってる私のこと教えて。もちろんあんたのことも｣
にこっと笑う仕草はAそのもので、美空のとき以上に期待が膨らんだ。
信じてくれるのか？
そもそも話してもいいのか？
不安がぐるぐると頭の中を駆け巡る。
｢…じゃあ、東都のことから｣
いろんなことを考えた末、全部話すことにした。
自分が仮面ライダーと呼ばれる存在であること、nascitaでのこと、エボルトのこと。
やはりAは何も覚えていないようだったけれど、楽しそうに俺の話を聞いていた。
｢並行世界ってなんだかわくわくするよね｣と、Aらしくないことを言いながら。
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デリート(プロフ) - クリオネf。tさん» 了解です！書いたことがないので上手くできるかわかりませんが、頑張ります！ (2019年3月24日 2時) (
レス) id: 94669fbf54 (このIDを非表示/違反報告)
クリオネf。t - 永夢君がお相手で女攻めとか大丈夫ですか？無理ならそれでいいので！ (2019年3月24日 1時) (レス) id: fe04442c66 (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 永流/Eruさん» ありがとうございます。どうかなーと思いながら書いていたので、そう言っていただけると嬉しいです。 (2019年2月8日 22時) (レス) id: 94669fbf54 (このIDを非表示/違反報告)
永流/Eru(プロフ) - ビルド感動しました。切ない終わり方メッチャ好きです。m(._.)m (2019年2月4日 0時) (レス) id: d36ee27f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年2月19日 1時
