可愛い君へ〈城戸真司〉 ページ3
最近Aちゃんが遊びに来なくなった。
花鶏の手伝いでAちゃんに構えてないから、拗ねているのかもしれない。
休んでいいと言われため息をつきながら部屋に戻ると、何故かAちゃんがベッドの上で座って待っていた。
｢Aちゃんなんでここに…｣
お店の手伝いをしていたから、来たらわかるはずだ。
少なくとも正規の入口からは入ってきていないことは確かだ。
｢窓開いてたよ｣
そう言って、後で閉めたのであろう窓を指差す。
Aちゃんは昔から異様に活発な子だった。
女の子なのに男子と喧嘩しても勝つし、ガキ大将のようなものをやっていた気もする。
だから俺も少し怖い。
｢わ、わざわざ登ってまで…｣
端から見たら変な人だ。
｢だって真司構ってくれないし｣
そう言ってふてくされていると子供みたいで背も小さいから高校生ぐらいに見えてくる。
Aちゃんは俺より少し年下で、まだ大学生だ。
今はテストも終わって暇らしく、毎日のように花鶏に遊びに来ていた。
けれどAちゃんが遊びに来たときに限ってお店の忙しい時間だったりモンスターと戦っていたりして、全然話せてすらいない。
｢それは謝るから、今度からは窓から入るなんてやめなって危ないから｣
だが言っても聞かないのがAちゃんである。
窓をきちんと閉めておかないと、またやりかねない。
｢時間も遅いし、お母さん心配してるよ、きっと｣
まだ少し明るいが、外はもう夜になりかけている。
女の子がひとりで出歩くのはよろしくない。
｢帰んない。真司といる｣
腕を組んでそっぽを向く。
やはり時間のことを言ってもAちゃんは全く帰ろうとしない。
俺も無理矢理帰す気にはなれなかった。
Aちゃんの言うことに何となく逆らえない。
でもそれはAちゃんが怖いからじゃない。
｢Aちゃん。前にも言ったけど、家族に心配かけちゃダメだよ｣
放っておけないからだ。
昔っから喧嘩っ早くて危なっかしかった。
それをはらはらしながら追いかけて止めるのが日常だったため、その癖がまだ残っている。
｢真司といたい…｣
帰ろう？ともう一度言うと、俺の服を掴んで悲しそうな声で言った。
そんなわけでだいたい一緒にいたからか、Aちゃんは随分俺にくっついてくるようになった。
鳥の刷り込みというのが一番いい例えかもしれない。
｢じゃあ今日は泊まってもいいかお母さんに聞いてみるから、ダメだったら帰ろうな？｣
俺がそう言うとAちゃんはぱあっと笑って、大きく頷いた。
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デリート(プロフ) - クリオネf。tさん» 了解です！書いたことがないので上手くできるかわかりませんが、頑張ります！ (2019年3月24日 2時) (
レス) id: 94669fbf54 (このIDを非表示/違反報告)
クリオネf。t - 永夢君がお相手で女攻めとか大丈夫ですか？無理ならそれでいいので！ (2019年3月24日 1時) (レス) id: fe04442c66 (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 永流/Eruさん» ありがとうございます。どうかなーと思いながら書いていたので、そう言っていただけると嬉しいです。 (2019年2月8日 22時) (レス) id: 94669fbf54 (このIDを非表示/違反報告)
永流/Eru(プロフ) - ビルド感動しました。切ない終わり方メッチャ好きです。m(._.)m (2019年2月4日 0時) (レス) id: d36ee27f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年2月19日 1時
