番外編98話 ページ39
早朝の国際空港。
夜の寒さが空気に残る中、多くの人が旅立つ。
帽子を深くかぶり足早に空港内を移動する青年がいた。
リュック背負い右手にはパスポートを持ち周りを見ることなく出国ゲートに向かう。
青年の足を止める様に人が立つ。
顔を上げた。
「小峰君、どこに行くのかな？」
「あなたは……」
自分の行く手を止めた人物に小峰は見覚えがあった。
「何度か会っている。児童施設でね」
「……准一君の」
「叔父だ。坂本と言う」
背後にも誰かの気配を感じる。
囲まれている。
「警察屋さん？」
「一緒に来てもらうよ」
「刑事だったんだ、准一の叔父さんは」
抵抗する気も逃げる素振りも見せず微笑む。
「昨日の翔の件？」
「あぁ、他にも何点かある」
「ただの悪ふざけですよ？翔君はなんて言っているか知りませんが。あの子から頼まれたんですよ。」
坂本の鋭い目が小峰を睨み付ける。
「信じると思っているのか？」
「言い逃れではないです。あの子が……父親に会いたいから騒ぎを起したいって」
翔がそんなことを言う訳がない。
冷蔵庫から助け出した時、いの一番に雅紀たちの助けを求めた。
自分のことよりもだ。
「詳しい話は署の方で聞かせてもらう」
「拒否権はなさそう。仕方がないなぁ」
大人しく連行された小峰。
警察署で取り調べが始まってもいつも通りに穏やかな彼がいた。
「僕、取り調べ受ける様な罪になります？確かに冷蔵庫にあの子を入れましたよ。でもそれは頼まれたからですしぃ、すぐに出してもらえるって確信しているから僕もそうしたわけですしね」
ならば何故その場から逃げた。
「僕がその場にいたんじゃ騒ぎにならないじゃないですか」
だから海外に逃亡を？
「海外に逃亡？やだなぁ友達に会い行こうとしただけです。夏休み中、ボランティアのお手伝いでどこにも出かけてないんです。夏休み終わりかけのチケットは格安になるんですよ」
悪びれる様子もなく翔を閉じ込めたのも自分の意思ではないと主張する。
「僕を取り調べるよりも准一君は見つかったんですか？探しに行った方が」
「どうして准一がいなくなったことを知っている？」
「……翔君が言っていました。黒い車に乗せられたって」
「それを知っていて探さずいなくなったのか？」
「いや……翔君の嘘かなって。だってほら冷蔵庫に閉じ込めてくれって言うくらいですよ」
坂本が小さなため息をついた。
「嘘をついているって思うならどうして准一の行方を聞いたんだ」
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むつき(プロフ) - ｒｉｏさん» そうですね、まさちゃんと皆が出会えて本当に良かったです。どんなに傷を抱えていても前を向いて歩んで行けるはず！読んでくれてありがとう！ (2017年7月12日 22時) (
レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はぴともさん» はぴともさん……大好きって告白されちゃった。いや違う違う(笑)兄弟たちを大好きになってくれて感謝です！ (2017年7月12日 22時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - のんさん» お兄ちゃんたちの優しさが弟の愛が雅ちゃんの心を開いたのでしょう。二人ともやっと助け出されましたよ！ (2017年7月12日 22時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 沙羅さん» まーくんがしゃべりましたよーーー。和ちゃんもご機嫌です。小さくても兄弟たちは共に助け合います！ (2017年7月12日 22時) (レス) id: f36c77de6f (このIDを非表示/違反報告)
ｒｉｏ(プロフ) - 泣いちゃいました。まーくんがしゃべった。隠し事してる最中だけど、気を許せて少しでも心開ける人たちに出会えて良かった。怖いのに最後までまだ出てこない潤くんのことも想って生きることを諦めないでいてくれて、智君が読者の代わりに制裁してくれました！流石長男 (2017年7月12日 18時) (レス) id: bfae0dae1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2016年10月23日 0時
