34話違和感 ページ34
林を抜け車が町へ向かい走る。
運転手は翔。
助手席に座る智の存在に大緊張。
ハンドルを握る手汗が半端ない。
「翔くん」
「ひぇ！」
「ひぇって、もう何も聞かないから緊張しないでくれるか？」
智があきれた顔をしていた。
「さっきも言ったけど二人の問題だから何も言わねぇよ」
「は、はい」
柚子香と喧嘩している嘘を信じてくれている事に安心はするものの心が冷静を保てない。
「早めに仲直りしろよ？」
「はい！」
挙動不審で怪しまれないのは好都合。
「オイラはコーヒー豆を買ってくる。翔君はこのまま酒屋に行ってもらっていいか？」
「了解」
「迎えに来ないでいい。スーパーで合流」
お気に入りのコーヒー豆を買うために御用達の喫茶店へ智の智の姿を見送って翔はやっと肩に入っていた力を抜く。
「フルマラソンぐらいの疲労感。走ったことはないけれど」
これがしばらく続くのかとげんなりとした気分になる。
スマホから着信音。
自分を心配した弟たちか？
発信先の名前に首をひねる。
城島弁護士。
画面をタップする。
「お久しぶりです、城島さん」
『お久しぶりです。突然の電話に申し訳ないです』
「何かありましたか？」
『先日の青田家の一軒のことについてなんですが』
そうだ。
前回の東京騒ぎの時に和也が城島弁護士にお世話となったのだった。
『先ほど和也さんから青田家について引き続き調査の依頼がありましてね。前回の探偵と正式に契約の仲介に入ってもらえないかと相談がありました』
「その節はお世話になりました」
大体の青田家内情は前回の調査で把握済みではある。
跡取りの話は諦めていないだろうから何かしらのコンタクトがあるはず。
その時に対峙できるような情報があれば手に入れたいと和也の依頼だ。
その意見に翔も同感である。
『では探偵事務所との契約仲介をさせて頂きますね。あとですね……』
城島の言葉がつまる。
「何かありました？」
『実は雅紀さんからも依頼を受けました』
「雅紀個人からですか？」
依頼内容は和也と同様で。
違うのは対峙できる情報ではなく、二度と接近してこない情報と言う点。
『雅紀さんらしくない依頼でしたので』
あの優しい雅紀がと城島は違和感を抱いたという。
「依頼はお願いします。雅紀の方はこちらで様子をみます」
とりあえず城島との電話を切り、深夜にでも雅紀、智以外の兄弟で話し合うことにした。
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むつき(プロフ) - tthisamiさん» 遅くなりましたが再開いたしました。 (8月29日 21時) (
レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
tthisami(プロフ) - 再開嬉しいです。 (8月29日 20時) (レス) @page50 id: dba9116941 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はるさん» なかなか更新できずに申し訳ないです。少しずつですが頑張っていきますので！ (2021年3月30日 23時) (レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - むつきさん、更新ありがとうございます！とても嬉しいです。続きが楽しみです！ (2021年3月23日 4時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ちぇろさん» 5人が揃いました。北の地で兄弟たちの絆をお届けできたらと思います。 (2020年10月27日 0時) (レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2019年8月2日 23時
