16話 その人は…… ページ16
翔が和也を迎えに来てくれると言う。
ならば自分が大野和也である証明となる荷物を持ってきてもらおう。
お願いのメールをするとすぐに返信されてきた。
理事長が間違い電話をした時点で翔は施設に向かい、残された和也の荷物を持ってこちらに向かっていると。
「誰と連絡をしているのです？」
話の最中で携帯に触れているのが気に入らないらしく怪訝な表情。
和也は一言許しを得てから連絡すべきであったと反省。
謝罪の言葉を口にする。
「失礼しました。不作法でした」
兄が迎えに来てくれることを伝えた。
自分が智でない証明を持参する事も付け加えて。
「あくまでも智ではないと言い張るのね」
ここまで言い張るのであるから察しくれと和也は思う。
「兄とは誰です？」
「二番目の兄です。……智ではありません」
ふすまが開く。
男性が立っていた。
「ちょっと出かけてくるから」
年齢は井ノ原くらいだろうか。
「来客中だった？失礼しましたね」
「どこへ出かけるの？」
「そこら近所」
「これから大事なお客様がいらっしゃるからあなたもお店に出なさい」
「店主がいるんだろ？邪魔になる」
手をヒラヒラさせる。
この男性は誰であろう？
軽い雰囲気。
「彰布(あきのぶ)待ちなさい。この人を紹介します」
「俺に紹介？」
「智よ」
彰布と呼ばれた男性は一瞬だけ和也に視線を向けた。
「智……。へぇそう」
それだけ言ってふすまの向こうに身を引く。
「待ちなさい、彰布」
「行ってくるよ」
追って夫人も和室から出ていく。
アツシと二人残された部屋。
「あの人は誰です？」
アツシが語った彰布という人物は……。
「おやっさんの息子だ」
「え？」
と言う事は智の父親？
「今の人がさー兄の父さん？」
似ていたような気がする。
口元の辺りが特に。
「俺、水道を修理してくるけど一人で平気か？」
「平気ですと言えばウソになります」
青田夫人と二人になるのもつらい。
数時間前に出会ったアツシであるが一緒にいてもらった方が気が楽。
「うちの兄が来るまで一緒にいてもらえます？」
「間違えて連れてきた責任もあるしいいよ」
ガテン系の見た目より優しいアツシ。
手に持っていた携帯電話が震える。
『到着！和、どこにいる！』
「マジ、しょー兄早くない？」
ブラコンお兄ちゃん到着。
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むつき(プロフ) - tthisamiさん» 遅くなりましたが再開いたしました。 (8月29日 21時) (
レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
tthisami(プロフ) - 再開嬉しいです。 (8月29日 20時) (レス) @page50 id: dba9116941 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はるさん» なかなか更新できずに申し訳ないです。少しずつですが頑張っていきますので！ (2021年3月30日 23時) (レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - むつきさん、更新ありがとうございます！とても嬉しいです。続きが楽しみです！ (2021年3月23日 4時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ちぇろさん» 5人が揃いました。北の地で兄弟たちの絆をお届けできたらと思います。 (2020年10月27日 0時) (レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2019年8月2日 23時
