どんな君も。１ ページ36
赤side
まるでスローモーションのように、俺の目には映った。
神ちゃんが倒れる瞬間。
数秒やったんやろうけど。
咄嗟に身体が動いて。
道路に崩れ落ちる寸前、この腕に抱き留めてた。
「神ちゃん！大丈夫か？
立ちくらみ？」
「重岡・・・？」
不安そうな、すがるような視線に、
庇護欲が駆り立てられる。
神ちゃんて、
男らしくあろうとすればする程、
可愛いらしくなって、
周りの男を虜にしてしまう。
罪作りな人やねん。
「神ちゃん、白いし、暑いの苦手なんやろ？」
「う、ん、まあ」
大林先輩は、俺らのやりとりを、イラついた顔して見てる。
「重岡も知ってんだろ？こいつの秘密。
なんで庇ってんの？」
「なんの話っすか？」
「こいつが、オメガってこと」
「大林先輩、嫉妬っすか？」
「はあ？」
「この前のコンペで神ちゃんに負けたからって。
なんか言いがかりつけようとしてません？」
「重岡、お前、何言ってんの？」
「神ちゃんがオメガやろうとなかろうと。
俺にとってはなんの問題でもないんで」
ほんまは大ありやけども！
神ちゃんがオメガに生まれてきてくれたから。
俺らは、番になれる可能性があるねん。
まあ、あくまで可能性やけど。
神ちゃんも、もしかして、
俺に段々、惚れてきてんちゃうん？って。
最近、自惚れ出してるおめでたさ。
「俺には大ありなんだよ」
「今時、性の属性でごちゃごちゃ言うん流行らないと思うんすよね。神ちゃん、遅刻するわ、行こ」
もう日差しはきつくて、
神ちゃんは薄手のシャツを羽織ってる。
その袖口を掴んで、歩き出した。
部署は違うとは言え、
一応、先輩やのに、
あんな態度取ってもうて。
夏のボーナスの査定に響くかなあ、なんて、
ちらっと考えたり。
ボーナス入ったら、
神ちゃんにプレゼントしたいしな。
神ちゃん、最初のフレンチこそ奢らせてくれたけど、
その後から、きっちり割り勘やし。
フレンチについては、
高い洋服でお礼されてしもたし。
これでは彼氏としての面目が丸潰れやねん。
満員の電車のホーム。
「そういや、重岡、なんでここにおったん？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 530人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fool(プロフ) - popoさん» はじめまして💕コメント大感激ですっ✨そう言ってもらえてホッとしてます💕甘々な二人に突入予定です💕続きもよろしくお願いします🥰 (2022年9月20日 23時) (
レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
popo(プロフ) - 初めてコメントします。 もう、もうキュンキュンが止まらないです💕 (2022年9月20日 22時) (レス) @page41 id: b85eb922d4 (このIDを非表示/違反報告)
fool(プロフ) - ななはちさん» ありがとうございます〜💕止まっちゃうのが怖くて😅一気書き！書ける時に書いちゃおう！と❗️不器用な赤君と拗らせ気味の緑君故のすれ違い❗️早く甘々にならんもんかなあと思いつつ作者も書いております〜 (2022年9月20日 22時) (レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
ななはち(プロフ) - 沢山更新ありがとうございます💕💕急接近！？キュンキュンコース、天敵がいますが早くヒートの緑さんに寄り添ってあげて欲しい…でもこのムズキュンも見てたい可愛い2人… (2022年9月20日 20時) (レス) @page38 id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
fool(プロフ) - 水無月こすもさん» こすもさーん✨書ける時に一気に書こうかと〜赤くんの愛ほんまにでっかいです❗️緑くんの想いが届きますように… (2022年9月19日 22時) (レス) id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：fool
| 作成日時：2022年8月14日 16時
