暗号に隠した愛の言葉（htrn） ページ2
「ひとらんらん君がいなくなった？！」
「せやで〜A宛に置き手紙だけ残してな」
優雅にティータイムを過ごしているオスマンを前にテーブルを叩く。ガチャンと食器が鳴って彼は少しだけ眉を動かした。
「行儀悪いで」
そう言って私に和紙を渡すオスマン。私はそれを貰うと座り込んで紙の内容を確認する。
「この紙何かザラザラしてる…本当にひとらんがこれを？」
「せやで」
「嘘だ…」
「嘘やと思っとるん？」
私が横に首を振れば、ならこんなとこに居らんとひとらん探しに行きやと彼はこつんと私の額を叩いて笑った。
私は和紙を広げて廊下を歩く。
そこに書かれていたのは暗号。
《 俺と君の共通点を除けば見えてくる
卦 冲 卦 冷 些 冗 夕 海 夢 》
「…いや、分かるか！！」
和紙をぐしゃぐしゃに握りしめようとして思いとどまる。ひとらんも阿保ではあるが馬鹿ではない。何か考えがあるはずだ。
私は彼との共通点を考える。
彼とは士官学校からの同期。そして配属先は共に海軍であった。
「海軍…海…水は冷たいし、冲もおきだよね…関係ありそうなのを外して…《け け さ じょう ゆう ゆめ》？」
訳の分からない単語の羅列に泣くしかない。彼が何を考えているかはしらないが、私にこれが解けると思っているのだろうか。
「くそぉ…やってくれるじゃないの…」
ひとらんが「A、こんなのも分からないの〜？だから艦長にいつまでもなれないんだよ」と嘲笑っている顔が浮かんで瞳に光を宿す。
「絶対に解いてみせる…！」
そして数分後。全く…わからない…と私は雑談室にて和紙を片手に頭を抱えていた。
「A、阿保面晒してどうしたん？」
「良い所に…ってよりによって役立ちそうにないゾムかぁ」
「ん？冥土に送ってくれやって？」
「嘘ですって〜」
全身全霊で命乞いをして彼の機嫌をとる。
阿保面と言われたことは気に食わないがゾムに事情を説明すると彼は意外にもノリノリであった。どうやら一緒に暗号を解いてくれるらしい。
「ひとらんとAの共通点ってそんなんこっちでは見ることないその目やろ」
「黒目のこと？」
「おん。そういやお前ら同じ国出身やったな」
ゾムは私の頭を悩ませている和紙を奪い取ると、すぐに関心を失ったのか乱雑にテーブルに置く。
「なんやこれ。俺には読めへん。この文字こそお前らの共通点やん」
ゾムのその言葉に閃く。
"漢字"
それが私と彼の共通点だったら…？
「わかったよ！ゾムありがとう！」
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鯉口(プロフ) - 赤羽 紫音さん» コメントありがとうございます！ (2020年4月4日 3時) (
レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 紫音 - 凄い！ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ノアさん» 主催者の鯉口です。コメントありがとうございます(*^^*)まだまだ続きますので更新をお待ちください！ (2020年2月29日 1時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ノア - めっちゃ好きです！ 文才分けて欲しいぃ((( 毎日、楽しみにさせてもらってます！ 更新頑張って下さい！ (2020年2月25日 22時) (レス) id: 47bc0266fa (このIDを非表示/違反報告)
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