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私が辿り着いた先はトントンが仕事を行っている執務室だ。先程の和紙に書かれた暗号。
暗号の中には、私とひとらんの共通点である漢字の中に片仮名が隠されていたのだ。それぞれを浮かび上がらせてみれば《 トントンに渡した 》となる。
これで合っているだろう、とどや顔で執務室の扉をノックした。
「何の用や？」
「トントン、ひとらんから何か預かってるでしょ」
「…そのことか。ってことは鳥頭のお前でも無事に一つ目の暗号解けたんやな」
「待って、え？鳥頭？」
「本当のことやろ」
「ひどい。あと何、まだ暗号あるの…？」
「せやな。今から渡す暗号は二つ目やで」
トントンは私に見覚えのある和紙を渡してくる。
「はぁ！？一つ目解くのにどれだけ時間がかかったことか…もう勘弁してよ」
「大丈夫やと思うで。あいつから聞いた話一つ目より簡単や言うとったし」
「意味わからない…結局あの人は何を考えてるわけ…」
「………さぁ？」
「何その意味深な間は…」
「ほらはよせんと。時間は有限なんやぞ」
巨体のトントンに背中を押されて、彼の執務室から追い出されてしまう。
廊下を半泣きで一人歩きながら和紙を広げる。
《 一つのことに真っ直ぐな君には解けないかもね
す ゅ か わ あ は ほ ゆ》
「あー…確かにさっきよりは簡単に…見えないわ！！馬鹿なの？馬鹿だよね？」
全く易しくない彼の問題にギィギィ騒いでいれば、バンっと何かにぶつかってすっ転げる。
「いたい…」
打ちつけたお尻を摩る。すると目の前に手が差し出される。手の主を見るとそこには大先生が立っていた。
「Aちゃん今回も何かに夢中になっとったん？自ら俺にぶつかってくるから驚いたで」
「あはは…ごめんね大先生。実はさ…」
彼に和紙を見せながらゾムと同様事情を説明した。普段から暗号をスラスラと読み解く大先生ならかなり力になるはずだと、私は瞳を輝かせる。
「あー…これめっちゃ簡単やん」
「えっ、ってことは…答えは？」
「そりゃあ自分で考えんと。ゲドちゃんだってそのために難易度下げとるんやろ」
「これで難易度低いの…？」
「めちゃめちゃ低いで。じゃ、Aちゃん頑張ってな〜」
「ま、待ってよ大先生！最後にヒントちょうだい！」
「…せやなぁ…Aちゃんって一度前だけ見ると他を見らんから」
「えーっと…？」
「ちゃーんと左右上下確認しましょうね、ってことやで」
ヒラヒラと手を揺らし、煙草の匂いだけ残して彼は煙のように姿を消した。
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鯉口(プロフ) - 赤羽 紫音さん» コメントありがとうございます！ (2020年4月4日 3時) (
レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 紫音 - 凄い！ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ノアさん» 主催者の鯉口です。コメントありがとうございます(*^^*)まだまだ続きますので更新をお待ちください！ (2020年2月29日 1時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ノア - めっちゃ好きです！ 文才分けて欲しいぃ((( 毎日、楽しみにさせてもらってます！ 更新頑張って下さい！ (2020年2月25日 22時) (レス) id: 47bc0266fa (このIDを非表示/違反報告)
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