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「さて、あらかた掃除も終わったし、仕事に取りかかろうかしら」
毎日掃除は心がけているから、そう長くはかからない。
すぐに終わらせてしまえば、私は買い出しにいくまで暇になってしまうが、生憎今日はその時間はなかった。
大きな階段箪笥の一番上の引き出しから小さな桐箱を取り出す。
この階段箪笥は私が嫁入りするときに母が贈ってくれたもの。
黒光りする大きな箪笥は、私と同じくらいの高さだった。
桐箱を開ければそこには、こね鉢と計数さじが入っている。
すぐ隣の小さな畳の部屋には、薬研(やげん)と製丸機が置いてある。
これは私の商売道具だ。
私の父親は医者で、母は薬屋の娘だった。
知識は私に必然的に流れていった。
おかげで私は薬を作ることも、薬草の見分け方も身についた。
だから、少しは病状も分かる。
医者としては一流ではないけれど、
薬作りの腕だけは父と知り合いの医者にも褒められるぐらいではあった。
だから、私はこれを職業とすることを決めた。
とはいっても、ただの小さな薬屋さんであるだけで、大きな店ではなかった。
結婚するにあたってそれは制限されてしまったから、こうして細々と近隣に住む人たちとの一つの繋がりとして営んでいるだけだった。
その結婚した相手、ひとらんらん様とは今朝のような関係なのだけれども。
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鯉口(プロフ) - 雪姫さん» 感想と指摘ありがとうございます！ (2020年3月28日 13時) (
レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
雪姫 - はじめまして。鯉口様の小説は何時も面白くて大好きです。作品これからも、投稿頑張って下さい。後、梅の花が咲く前にの6ページ、とりあえず単語がとりあいずになっておりましたのでご確認お願いします。 (2020年3月28日 11時) (レス) id: ef862af7e8 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - 音羽リンさん» コメントありがとう！泣いてくれたなんて、嬉しい感想です！ (2020年2月4日 20時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
音羽リン(プロフ) - 泣いた (2020年2月4日 20時) (レス) id: bd02fe3886 (このIDを非表示/違反報告)
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