２度目の神隠し ページ12
.
彼の言葉が理解できなかった
『狐…さん…？』
震える声を無理やり出した
「……やっと返したのに………」
深いため息をついて彼はしゃがみ込む
その反応を見て、私はやらせない気持ちに駆られた
やっと返した…？
彼と過ごしたあの時間
彼は嫌々私といたの…？
『……私……狐さんに……嫌われてたの…？』
ボソッと思った事を呟いてしまった
呟いた事を自覚した時には時すでに遅く、彼の耳がパクリと動いて顔を上げて彼が反応した
「…は…？」
訳が分からないというような声色
『…やっと返したって………あの時、私の事煩わしかったの…？
それなら……その時言ってくれても…
ほら…小さかったと思うけど……私…聞き分けよかったはずだし……』
「なっ……」
『なんで……とっても久しぶりなのに……そんなこと言われないといけないの…？
私は…狐さんに会えて…嬉しかったのに……』
途切れ途切れの言葉は、徐々に涙声へと変わっていく
視界が歪み、頬を涙が伝う
拭っても拭ってもキリがないほど涙が溢れた
余りにも感情の起伏が激しくなり、自分で抑制出来なかった私はその場にしゃがんで顔を隠した
こんな私、狐さんに見られたくない
そう思うと同時に、私の身体がギュッと抱きしめられる感覚がした
『……っ……』
「泣かないでよっ……僕だって君と会えて嬉しいのに……
さっきのは僕の言い方が悪かったんだ…」
『……ぇ…？』
私今……狐さんに抱きしめられてる…？
それより……彼も嬉しかったって……
「君と一緒にいる時間はとっても楽しくて……僕の知らない事…君は沢山知ってて…それを話す君はとても可愛くて………
本当ならずっと隣にいて欲しかった…」
『……っ……』
ずっと…？
そんな事を思っていてくれたの…？
「でも…君を探すご両親を無視できないし……君は帰りたいっていうし……手放したくなかった…
嫌だった……返したくなかった……
でも……君の笑顔を奪う方が…君の幸せを奪う方がずっとずっと嫌だった…
だから……返したのに……」
『………ごめんなさい……私……
なんだか……変で…子供みたいに狐さんを一方的に責めて………』
私は顔を上げた
「……泣かないで……
Aの悲しむ顔、僕は見たくない……
見たくないから……ご両親の所に返したのに……」
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ここ - htrn難民です…いやぁ…最近涙もろくなったかもしれないです… (2022年5月23日 0時) (
レス) @page17 id: 89e416f6d5 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - 彗月さん» コメントありがとうございます！喜んでいただけたら嬉しいです！！ (2021年1月31日 16時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
彗月 - niさん難民です…。こんな企画があったなんて！重宝させていただきます。 (2021年1月31日 11時) (レス) id: dea094a662 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - あまいひとさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けてこちらも嬉しいです！ (2020年9月5日 18時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あまいひと - rnrn難民です、、。ヘッダーからも消えて死にそうだったので嬉しいです、、。ありがとうございます(昇天) (2020年9月5日 12時) (レス) id: e438e75949 (このIDを非表示/違反報告)
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