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「君は綺麗な藍色やね。体質はなんなん？」
「ゾイサイトです。
タンザナイトって、言えば伝わりますか？」
ゾイサイト、という宝石は、藍色の、あるいは青紫色の宝石である。
色の種類は複数あるが、ラトはそのなかでも藍色だった。
別名タンザナイトとも呼ばれるが、これは藍色のゾイサイトのことを言う。
希少価値があり、最も知名度がある石だ。
そんなラトの硬度は、6〜7といった比較的高い方である。
しかし彼女は陸軍ではなく特攻隊を選んだ。
「理由は特に無いです。
強いて言えば、隊長に憧れたから、でしょうか」
「ゾムさんはかっこええもんな」
「はい！ 強くて憧れます！
私、硬度はそこそこあるんですけど、劈開は完全なので弱いんですよ。
だから、隊長みたいに戦えるようになるのが夢なんです」
笑顔一杯で夢を語るラトの姿は、幹部に就いたばかりのチーノそっくりだった。
しんぺい神はそのときのことをよく覚えている。
今も、役に立ちたいと頑張っているが、幹部に就いたばかりの頃はそのときだけの輝きがあった。
(怖い物知らずってすごいなぁ)
しんぺい神が一人そんなことを思っている間、チーノとラトはすぐに打ち解けてゾムについて褒め称えている。
「チーノさん！
私、チーノさんと一緒に戦えるの、待ってます！
だからまた訓練場に来て下さい！」
「――！ おん。ありがとう」
ラトの、待っている、と言う言葉に、チーノは少し驚いた。
しんぺい神も目を見開いて固まっている。
今まで、チーノは兵士になることを否定されてきた。
グルッペンもトントンも、コネシマもゾムも、チーノが戦場に出ることを望んでいなかった。
彼の気持ちを理解していながら、やめてくれ、と止めていたのだ。
そんな彼が初めて、待っている、と言われた。
励ましでもなく、同情でもない。
純粋な好意として。
「俺、頑張るわ。ラトさんも連れて行かれとんてな」
「はい！」
じゃあ、私はそろそろ戻ります！
と言って医務室を後にしたラトの背中を見送って、チーノはある決心をする。
「しんぺいさん」
「なに？」
「俺、まだ諦めてないです」
その言葉に、しんぺい神は黙る。
瞼を伏せて、何も言えなかった。
「俺はいつか、必ず兵士になる」
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鯉口(プロフ) - あきらさん» コメントありがとうございます！最初の注意事項の項目を読んで察していただけると幸いです (2022年7月20日 0時) (
レス) @page1 id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 宝石の国、、、、？あっいつも見てます頑張ってください (2022年7月19日 18時) (レス) id: 59a8197af5 (このIDを非表示/違反報告)
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