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「月に行ってしまった仲間たちは、何をしていると思いますか」
抑揚のない、棒読みをするような声で、チーノは軍医に聞き出した。
ゾムと別れたあと、チーノは軍医、しんぺい神の手伝いをするべく医務室に来ていた。
戦争で運ばれた負傷者は少なくなく、割れてしまった身体を修復するには、しんぺい神の力が必要だった。
彼は元々衛生兵の統率者として国に勤めていた。
宝石になってからも持ち前の器用さで、鉱石の加工方法や医術について研究を続けて国に貢献している。
割られた箇所をくっつけることで、宝石になった人間が蘇ることを見つけたのも彼だ。
人間が、身体を砕かれても仮死状態になるだけだという事実を得られたのは、この帝国がこの状況に屈せずに抗ってきた結果だ。
人を救う役目として、しんぺい神はこの百数年、特にその身を費やしてきた。
しんぺい神は、チーノの不意の質問に顔を上げる。
身体を修復するための作業を一旦やめて、彼を見た。
しんぺい神の、青空に白雲が浮かんだような美しく特徴的な模様の髪が揺れた。
「それは仮死状態じゃない場合のこと？」
しんぺい神の表情は無表情だった。
目も笑っておらず、静かに、ぼうっとするような視線で、彼に返した。
「どちらでも。仮死でも、意識があった状態でも。
月に攫われた彼らは、どんなことをされているんだろうと思って」
グルッペンはこれに対して、人間の用途と同じかもしれない、と推測している。
つまり、装飾品にするため、ということだ。
「……グルッペンの推測はついで、だろうね。
彼らは地球を侵略しようとしているエイリアンだ。
侵略の仕方が気持ち悪いだけさ」
「では、今頃粉にされていると？」
「さあね。俺には見当がつかないよ。
なんでそんなことを聞きだしたの？」
「なんとなくですよ。悪気はありません。
不快にさせてしまっていたら謝ります」
「いいよ。
誰だって気になることだし、考えたくもないことだ。
ゾムの様子に何か影響された？」
「……そんなところです」
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鯉口(プロフ) - あきらさん» コメントありがとうございます！最初の注意事項の項目を読んで察していただけると幸いです (2022年7月20日 0時) (
レス) @page1 id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 宝石の国、、、、？あっいつも見てます頑張ってください (2022年7月19日 18時) (レス) id: 59a8197af5 (このIDを非表示/違反報告)
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