第21話 ページ27
Aside……
俺が改めて来た道を戻ろうとすると握られた手に力が込められた。
渉「…………零が、教えてくれたんですよ」
A「朔間先輩が……?」
渉「生徒会室から時々、キラキラと光が当たる事は無かったですか?」
A「あ、一度覚えがあります……」
渉「その光、どうやら英智があなたを観察する時に生じたもののようです。」
A「か…観察?」
そのまま部長さんは淡々と説明を続けていった。
渉「双眼鏡でも使っていたんじゃないでしょうか。それに気づいた零が、貴方を気にかけてくれていたようです。先程の教室の件も、零が、行くようにと声を掛けてくれました」
A「そう……だったんですか」
A(英智さんは一体なんの為に……?)
彼の事を何も知らない俺では、答えに辿り着くことは到底不可能だろう。
A「ただ、私はまだ英智さんと話合う事が……」
渉「恋人の件ですか?」
A「あ、まぁ。はい…………」
やはり英智さんの恋人宣言はしっかり聞かれていたかと溜め息が出る。
しかし朔間先輩が一枚かんでくれていたのは助かった。あの人が助けてくれていたのなら本当に、もう大丈夫なのだろう。それでも英智さんとは1度しっかり話し合いたいとは思うが。
A「朔間先輩が言っているのならきっと大丈夫なんですね、分かりました……。助けて頂いてありがとうございます」
何でも朔間先輩は、学院内の事なら何でも把握しているらしいのだ。それなら信じてみても良さそうだと思った。
渉「はぁ〜…………零の言う事は、信じるんですね」
A「…………え」
渉「あぁ、いえ何でもありません……♪」
一瞬、何か言った気がしたがあっという間にニコリと笑い、いつもの部長さんに戻っていた。
渉「あ、Aさん、英智には抱き締められた以外には何もされていません…よね……?」
A「あぁ、はい。大丈夫…です」
俺の言葉を聞き終えた途端、部長さんは息を吐いて膝から崩れた。
A「なっ、ちょっえぇ?!」
渉「はぁ〜〜、……良かったです………………。」
A「あっあの……部長さ」
渉「言っておきますが!英智と付き合う必要は、勿論!!無いですからね……☆」
A「は、はぁ……」
何故だかその時の俺には、部長さんが無理にテンションを上げているように見えていた。
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彩(プロフ) - wはい,頑張ってください (2020年8月27日 21時) (レス) id: 7ef4eb4ee1 (このIDを非表示/違反報告)
洋燈(らんぷ)(プロフ) - 彩さん» コメントありがとうございます♪よく眠れているようで良かったです笑大変励みになりました。頑張らせて頂きます! (2020年8月27日 8時) (レス) id: 51b01a283f (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - コメ失礼します!!失礼ですが,続きが気にかなりすぎて夜しか寝れないので早く書いてください!! (2020年8月26日 7時) (レス) id: 7ef4eb4ee1 (このIDを非表示/違反報告)
洋燈(らんぷ)(プロフ) - きららさん» コメントありがとうございます!私も個人的に俺っ子大好きなのでそう言って貰えて嬉しいです!!!更新マチマチになってしまっていますが頑張らせて頂きます♪ (2020年5月17日 3時) (レス) id: 51b01a283f (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - コメ失礼します…!夢主ちゃん俺っ子なのとか鈍感なの凄く好きです!体調に気をつけて自分のペースで更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月17日 3時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:洋燈 | 作成日時:2019年7月27日 23時