第13話 ページ16
Aside…
A「えっと…その、どこかでお会いしましたか?人違いでは…」
渉「な…なんて悲劇でしょうか……!あぁ、涙が出て来ました…しくしく」
A「だっ大丈夫ですか??うそ、すみません…!!」
目の前でいきなり泣き出され、焦っているとずっと隣に立っていた友也くんが再び耳打ちで教えてくれる。
友也「確かに泣いてるけどただの演技ですから大丈夫ですよ」
A「えっ演技…?」
渉「友也くん、そんな早急にネタばらしするのはいけませんねぇ………あとさっきから近いです。」
部長さんがこちらをじっと見て、近いと言うなり友也くんに向かってどこからともなく鳩が勢いよく飛んできた。
友也「うわぁ!!」
ギリギリの所で避けて部長さんの手元に戻ってくる辺り、よく躾られている…あるいは意思の疎通でも出来ているのかと感じられる。
A「あの…本当に覚えが……」
何せこんな風に人と話すこと自体、この学園に来てからだ。そんな俺を外で前から知っている人間などそうそう居ない。
A(そもそもこんなに派手な人、見た事あれば忘れる訳ないしな…)
渉「う〜ん、Aさんが私を覚えていないのも無理ありませんねぇ…何せ私が、一方的に貴女を見ただけなので♪」
A「え、そうなんですか?」
渉「はい♪……しかし、確かに貴女で間違いないのですが………以前に見た時と随分雰囲気が違いますがイメチェンですか?」
A「へ?」
A(まさかこの人、俺が『俺』である事を知ってるんじゃ……)
北斗「ん?部長、何の話だ?」
A「いやっ、何でもないよ!北斗くん!!」
渉「…………えぇ、何でもありません!!これは私と、Aさんだけの秘密です♪」
北斗「なに?」
たまたまか、あるいは気を使ってくれたのか。部長さんはそれ以上は言う事なく北斗くんをはぐらかしてくれた。
A(そう言えば一目惚れがどうとか言ってたけど……)
北斗「おい、どういう意味だ変態仮面!」
渉「おやおや冗談ですよ…ね、友也くん……☆」
友也「きゅっ急に俺に振るなよ!!」
どうやら冗談らしい。
A(良かった良かった…)
散々愛を叫ばれ追い回され、これがちっとも良くなかった事に気付いたのは、そう先の話では無かった。
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彩(プロフ) - wはい,頑張ってください (2020年8月27日 21時) (レス) id: 7ef4eb4ee1 (このIDを非表示/違反報告)
洋燈(らんぷ)(プロフ) - 彩さん» コメントありがとうございます♪よく眠れているようで良かったです笑大変励みになりました。頑張らせて頂きます! (2020年8月27日 8時) (レス) id: 51b01a283f (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - コメ失礼します!!失礼ですが,続きが気にかなりすぎて夜しか寝れないので早く書いてください!! (2020年8月26日 7時) (レス) id: 7ef4eb4ee1 (このIDを非表示/違反報告)
洋燈(らんぷ)(プロフ) - きららさん» コメントありがとうございます!私も個人的に俺っ子大好きなのでそう言って貰えて嬉しいです!!!更新マチマチになってしまっていますが頑張らせて頂きます♪ (2020年5月17日 3時) (レス) id: 51b01a283f (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - コメ失礼します…!夢主ちゃん俺っ子なのとか鈍感なの凄く好きです!体調に気をつけて自分のペースで更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月17日 3時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:洋燈 | 作成日時:2019年7月27日 23時