アバンティーズとほんわかライフ。

ステキ ページ8

視点T

ふわあとあくびをして目が覚めると、やけにリビングが騒がしかった。時間は午前4時。
そういえば昨日の夜、Aと、そらとりっくんが飲んでいたことを思い出す。夜通しで飲んでんのか、あいつら。
重なっていた寝不足により、帰ってくるなり歯も磨かず倒れるようにして寝た俺とは真反対だ。

ぼうっとする頭を振ってリビングへ向かう。

「えー、ツリメかっこいいじゃん」
「ツリメはイケメンではないだろ！」
「えっ、俺の悪口？」

リビングに入ると、やはりそらとAがわあわあと騒いでいて、ほぼ潰れかけているりっくんがふうとため息をついたところだった。うえ、酒臭い。
そらの顔真っ赤でタコみたいだ。

「今のそらのほうがブスだけどなあ」
「あは、きこえてたんかい〜」
「ひひ、いえてる！」
「りっくんもなかなか…」

いつものそらならブスなんて言われたら傍らにあるクッションを俺に投げつけていたと思うんだけど、結構酔っているのか、機嫌良さそうににやにやと笑うだけだ。
りっくんはもう眠いのか、気持ちが悪いのかはわからないがかすれた声(というかもう吐息)でもーうるさい…とつぶやくだけだ。
Aはまともにも見えるけど、顔は赤いしやっぱりいつもより上機嫌。

「で、なんの話ししてたの？｣
「アバハウスで誰が一番かっこいいかってお話｣

ヘヘ、と照れ臭そうに笑ってAはそれを隠すように俺にチーズをよこした。

「だって、Aがツリメって言うんだぜ〜俺だろ！｣

そらが笑いながら怒るなんて器用なことをしている。それってAが自分から俺の名前を出してくれたってことか、なんか、嬉しいな。にこーーっとAに向けて笑うとAも、また恥ずかしそうに笑った。

「でも、俺はエイちゃんだとおもうね｣

Aは俺の言葉を聞くと、そうねえ、背も高いしねえ、と深く頷き、ソラもかわいいよね、りっくんだってメガネ外すと目がぱっちりしてるんだから。っていって寝ているりっくんの顔をさわり出した。酔うと人を褒めたくなるタイプなんだな。なんだかほっこりする光景にふひひと俺も変な笑い方をしてしまった。

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