アバンティーズとほんわかライフ。

カレシ ページ12

喜ぶべきなんだろうが、Aに彼氏か、なんて思うと心臓がいてえ。しかもよりによってこんな金髪、いやうちには金髪も白髪も赤髪もいたけど、でも、こんな、スタッズだらけのチャラそうな服着たやつ選ぶなんて。もっと誠実そうなの好みじゃないの？
リッくんとかいい人いい人言ってたのに。顔、見えないけど俺よりかっこいいの？
てか、身長低くない？エイジのほうが高いし、同じ金髪ならツリメでもよくない？
そう、意外すぎるのだ。もしかして騙されたりなんてしてないよな、とか失礼なことまで思ってしまう。

「でもこんなチャラいやつかー顔全然見えないし。背低いね。うーん趣味こんな感じなのか。知らなかったな」
「ツリメやべえ！俺が言おうとして言わなかったこと全部言いやがった！」
「そう！それもなんだよね。意外っつーか、俺わりと、その、Aのこと知らないのかなって思って」

そうだよなぁ、彼氏出来たら、一言くらいいってくれたって良かったんじゃねえの？
……あ、だめ。おちこむ。

「はぁ〜…」
「ため息深すぎだろ」
「うおエイジ」
「どうしたの？」

昼過ぎだってのに今頃起きてきたエイジが俺の後ろから突然現れた。額に冷ピタがついている。熱あるって本当だったのか。
俺達の深刻な雰囲気に首を傾げるエイジ。リッくんがほら、とスマホを見せると、エイジは少し黙り、
後にんんう…と奇妙な声を出してソファの背もたれに顔を沈めた。

「わかる？意味」
「うう〜ん…。こ…れは…俺ちょっと見たくないなあんま…しんどいかも」
「二枚目見て！」
「あー、ちゅうしてるね」
「どうおもう？」
「う…んー。化粧なんかして楽しそうに笑いやがってなんか…いつもとちがう。かわいいなーA」

うわーん、ちょっとホントにヤダ。とエイジが目をつぶりだすので、リッくんはスマホをそむけた。そうだなー、この写真のA、いつもより可愛い。ていうかいつも可愛いなんて思わないんだけど、この写真はまるで別の、そう、女の子みたいだ。今まで俺達と性別の壁越えて男みたいにしてたAとは思えない。やばい！こんな女の子、俺、しらねえ！

カレシ→←カレシ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す