斜陽2【中原中也】

第72話 ページ22

貴女side






貴女｢………今、…なんて…｣



中原｢っ、何度も云わせんな｣





耳を疑う言葉に




……いや…。





私は…あなたにそう云って欲しかったんだ…





あの時





部下以外の言葉を求めた私は





あなたに





中原｢だから…お前が好きだって云ってんだ｣


貴女｢っ……｣





私と同じ気持ちを…。






中原｢ンだよ…。｣


貴女｢………｣






顔を真っ赤に照れた彼だが


私から目をそらさなかった





中原｢……つまり…、その、なんだ、、


…………俺は、お前がいねェと仕事も出来ねェし

……朝は俺が飯作って起こす。夜は一緒にやろう。｣



貴女｢……｣



中原｢だから……



…A



……俺の女になってくれねェか。｣




貴女｢……中也さん…｣





真っ直ぐな瞳に吸い込まれていく


私の答えはずっと



決まっている





貴女｢……私は…あなたのそばを離れたくない理由をあの時言葉に出来ず


………離れてやっと分かったんです。



中也さん。｣



中原｢…ん｣



貴女｢あの時あなたが私に求めた言葉です…


私も





中也さんが好きです｣




中原｢っ……｣





これ以上ない程夏の海のような瞳が開く




貴女｢中也さんっ｣



中原｢おっと…｣





勢いよく飛びついても彼は簡単に受け止めてくれた





貴女｢もう…離れないです｣



中原｢離さねェよ｣





甘い香りと強い温かさが全身を包んでいく





中原｢異能も大宰も関係ねェ…


俺はお前が欲しい｣



貴女｢中也さん……｣




心底思う





貴女｢拾われたのがマフィアでよかった｣



中原｢あ？｣



貴女｢中也さんとの出会いだけは兄さんに感謝しています｣



中原｢何云ってンだ

お前が探偵社にいようがどこにいようが


俺ァ必ずお前を拐ってでも自分のものにしてる｣





その言葉にまた心臓が大きく鳴った



中也さんの体が離れ頭にその手がのる






中原｢大事にする。｣


貴女｢……私も｣






その日は忘れられない一日で大切な日となり



私は幸せを噛み締め眠りについた






この先の壮絶な物語を前に





今はただ祝福を＿＿＿＿＿

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