斜陽2【中原中也】

第67話 ページ17

貴女side





貴女｢……何故、｣



太宰｢森さんに聞いた。｣



貴女｢……｣





軽快な声に呆れと苛立ちが混合する




太宰｢今すぐ来て欲しいのだけど｣



貴女｢殺しますよ｣



太宰｢いいねえ｣




貴女｢場所教えてください｣



中原｢おい太宰！！｣





電話を片手に家を飛び出す






太宰｢幹部就任したんだって？｣



貴女｢…………あれを見たんですか｣



太宰｢そう！森さんから君と会う事を咎めない文書。｣



貴女｢私は会うつもりなかったんですが｣



太宰｢でも今向かっているんだろう？｣



貴女｢暗殺しにですよ｣





指定されたのは武装探偵社




電話を切り



ビルの4階を駆け上がる





貴女｢……ここか｣



扉越しに拳銃を構える




ドアノブに手をかけ



部屋に飛び込もうとした瞬間





太宰｢ばあ｣


貴女｢兄さっ、｣




先に扉が開き




中には社員らしき人達が




ﾊﾟｱﾝ





クラッカーを鳴らした




貴女｢は、｣

太宰｢ちょっと失礼｣



驚いてる間に兄に両手を縛られる




貴女｢兄さん！｣



太宰｢ようこそ、我が妹よ｣




？｢ほんとに来た｣


？｢これが太宰の妹ー？｣


？｢綺麗な人ですね｣


？｢結構似てるねえ｣


？｢………｣






貴女｢探偵社…｣




太宰｢私の電話一つで単身敵地に乗り込むなんて

さすが私の妹だっ｣



貴女｢妹呼ばわりしないでください｣



太宰｢君だって未だに私を兄さんと呼ぶじゃないか｣



貴女｢…ぽんつく…｣



太宰｢あっ中也がうつってるダメダメ！！｣




どう噛み付こうか兄を睨んでいると


探偵社で一番偉いであろう人が私に云った




？｢貴君が太宰の妹君か｣


貴女｢…まあ｣


？｢では、貴君がポートマフィア五大幹部。太宰Aか｣


貴女｢…そう、だが｣




その会話で社員の人たちがざわめく




？｢これは？｣


貴女｢…首領が幹部就任祝いにくれたもの｣


？｢これの目的は？｣


貴女｢私が知りたい…｣



太宰｢やっぱり森さんの独断か｣


貴女｢何がです、離してください｣



太宰｢だーめ。あの証明書のせいで私はポートマフィアのスパイの疑いがかけられているのさ｣



貴女｢はあ？｣



太宰｢マフィアである君と会うことを許された証明だからねえ｣



貴女｢あなたの席は私のです、戻ってきても居場所はありません｣



太宰｢ほらね、社長｣

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