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第9話 ページ9

貴女side





貴女「何も分かりまs」



中原「たく…こうやんだよ」




後ろから包み込まれるような感覚のあと


ふわりと甘い香りが鼻をくすぐった




構える体制を中也さんに強要され


私の手に彼の手が重なる




中原「いいか。これが構えの体制だ」


貴女「……」




耳元で響く独特の声に身体中の体温が上がっていく




中原「人差し指で引き金を引く」



貴女「…はい、」



中原「標的に向かって真っ直ぐだ。」




バンッ




中原「な?一緒だろ」


貴女「…は、はい…」






火薬の匂いが中也さんの香りを消していく





中原「んじゃ、やってみな」



貴女「……………」




真っ直ぐ…




中原「よーく真ん中狙えよー」




貴女「………」



中原「ま、そんなすぐには出来ねェと思うが_」




バンッ





貴女「………出来ました」


中原「まじかよ。ど真ん中じゃねェか」


貴女「…中也さんが真ん中狙えって…」



中原「……やっぱ手前、才能ありだな」


貴女「何がですか」


中原「やるじゃねェか。まじで気に入ったぜ、太宰

っておえええっ。

これだとあのぽんつくを気に入ったみたいになっちまう」




兄のことだろうか




中原「そういえば…まだだったな。」


貴女「何がですか?」


中原「改めて、よろしく頼むぜ、A。」



貴女「…え…………」




少年のような無邪気な笑顔で握手を求める中也さん




貴女「…こちらこそ…。

命を救って頂き、居場所を頂き…。

ありがとうございます

使えないとは思いますがよろしくお願いします」



中原「んな事ねェ。手前は俺が立派なマフィアにしてやる」





手袋越しのその手を握り返す




最初に感じたいい人なのではないかという直感はあっていた



マフィアとは思えない彼の優しさが



全てを失った私の心をほんの少し癒してくれた





中原「もうちょっとしたら帰んぞ」


貴女「…なぜです?」


中原「手前、寝れてないだろ」


貴女「え…」





朝の会話を思い返しても


寝れていないなど言っていない


むしろ彼の眠れたかという言葉に肯定をした





中原「見りゃわかる」


貴女「……」


中原「しばらくは休みを多めに取れよ」



貴女「ありがとう、ございます…」




彼はなぜマフィアになったんだろう




こんな部下思いのマフィアなんて彼以外にいるのだろうか…

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設定タグ:文スト , 中原中也 , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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リムル=テンペスト - とても面白いですね 僕もこんなふうに才能あったらなぁ (3月22日 20時) (レス) @page9 id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
高杉りた(プロフ) - 狐の鈴さん» コメントありがとうございます!すごく嬉しいです!モチベ上がります頑張ります!!! (12月29日 13時) (レス) id: 795a11b87e (このIDを非表示/違反報告)
狐の鈴 - お話がとても面白いです!!これからも体調に気を付けて更新頑張って下さい! (12月29日 2時) (レス) id: 194b92769c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高杉りた | 作成日時:2023年12月27日 18時

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