斜陽【中原中也】

第45話 ページ45

貴女side





中原「気づく…？」



森「彼らは君を慕うあまり


彼女の立場を妬んでいた」



黒男「……」



中原「はぁ？」



森「誰も悪くないんだよ。勿論、Aくんもね」




それより大の男達が膝を着いている絵面を早くどうにかしてほしい




森「だけど私は彼らの気持ちをおさめ、且つAくんの尊厳を保たなければならなかった


そこで君がいない状況でAくんを上司に持てば必ず

心が動くと思ってね」





中原「…そうなのか」



黒男「お恥ずかしい話…全て事実です」


黒男「ですが…太宰さんは運転手の私に礼を言って下さりました」


黒男「私は助けられました」


黒男「一切の迷いなく…全員を逃がすことを選ばれた…」


黒男「今では彼女に忠誠を誓う所存です」




貴女「……」




たった一日で真反対な態度だ


マフィアの身内を思う心はどんな善人でも勝てないのだろう




中原「たく…。大の男共が…


よし、わかった。手前ら今日からAの直属部下になれ」



貴女「それはさすがに、」



黒男達「喜んで。」



貴女「あ……、」





あっさりと決まり唖然とする




中原「もういいぞ。下がれ」




森「これが私が君との約束を破った理由だ


納得してもらえるかな」




中原「……俺だけでなく姐さんを行かせたのは」


紅葉「わっちと中也。幹部二人が動くほどの人物と思わせるためか」



森「その通り」



中原「……はぁ…。その件は気づかなかったです。感謝します。


Aも悪かったな。気づいてやれねェで」



貴女「…いえ、そんな」



森「結果的に君を捉えられたことは深く謝罪する。


すまなかったね、Aくん」



貴女「…いえ」






二人から謝られなんとも言えない気持ちだ




紅葉「A。よかったのぅ」


貴女「…はい」




何がだろうか




森「Aくん、傷の方はどうかね」


貴女「大丈夫です」


森「もし心配だったら私が診て＿＿」


貴女「大丈夫です」




中原「俺が診ました。問題ありません」



森「そう？…大事に至らなくて本当によかったよ」



紅葉「解決もしたことじゃ

A。わっちと出かけぬか」



貴女「いいんですか？」



中原「だめです姐さん。


A。傷が完治してからだ」




森「ふふふ…」





私は確かに見た



不気味に笑う




首領の横顔を＿＿＿

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