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第34話 ページ34

中原side





中原「俺ァ先風呂入ってくる」


貴女「はい」




一日を無事に終え


帽子と手袋をソファに投げる




貴女「片付けるので脱ぎ捨てないでください

外套も預かります」



中原「…悪い」



____


__





シャワーを頭から被れば鼻先を伝って雫が落ちていく






中原「…………」




なんで俺はあいつの言葉に一喜一憂してンだろうか



そばにいたいと言われれば顔を見れないほどに


兄だと言われれば言葉を失うほどに…



そして先日口走った



『俺ァあいつを手放すつもりは』




中原「………部下愛か…。」



だが今までこんなに心揺さぶられることあったか…?



中原「……だあっ!やめだやめ。」


貴女「中也さん?」


中原「えっ」


貴女「大丈夫ですか?大きな声が聞こえたので」


中原「あ、あぁ…なんでもねェ」


貴女「そうですか?…タオルここ置いときます」


中原「…あぁ」




タオルか


急に声が聞こえるもんだから驚いた



中原「………さっさと洗おう」



____


_






貴女「あ、もう上がったんですか」


中原「美味そ……」




風呂から上がればいい匂いが広がっていた



貴女「もう少し待ってください」


中原「もう完璧だな」


貴女「…そうですか?」




手際よく仕上げていくA




貴女「中也さん?どうしたんですかぼーっとして」


中原「あ…いや…」


貴女「座ってください」


中原「……」




___



_




中原「…美味かった」


貴女「良かったです」


中原「片付けは俺がやる」


貴女「私もします。私洗うので拭いてください」


中原「……わかった」



来た頃とは全然違う



貴女「はい、中也さん」


中原「おう、_あ、」




パリン




貴女「中也さんっ」


中原「悪い。手が滑った」




床に広がる破片を集める




中原「っつ」


貴女「大丈夫ですかっ!」



中原「ンなもん大したことねェよ」


貴女「ダメですよ、小さな傷でも侮れません」



中原「大丈夫だって____」



血が滲む指は



Aの口へと運ばれる




中原「なっ、」


貴女「どうしました?」


中原「やめろ、他人の血だぞ」


貴女「でも、昔兄さんがよく、」




自分の言葉にハッとしたAは俺の手を離した




貴女「…昔の事なのに。」


中原「別に思い出はそのままでいいだろ」


貴女「……………絆創膏取ってきます」


中原「………」

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設定タグ:文スト , 中原中也 , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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リムル=テンペスト - とても面白いですね 僕もこんなふうに才能あったらなぁ (3月22日 20時) (レス) @page9 id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
高杉りた(プロフ) - 狐の鈴さん» コメントありがとうございます!すごく嬉しいです!モチベ上がります頑張ります!!! (12月29日 13時) (レス) id: 795a11b87e (このIDを非表示/違反報告)
狐の鈴 - お話がとても面白いです!!これからも体調に気を付けて更新頑張って下さい! (12月29日 2時) (レス) id: 194b92769c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:高杉りた | 作成日時:2023年12月27日 18時

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