43.ごめん ページ9
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「国見が生徒で入ってきて…嫌な感じはしてました。
Aさん国見の話ばっかりするし…」
『い……いつから…?』
「っ…俺だって…分かんないです…」
白布くんは、相変わらず私の方を見ようとしない。
彼の背中から私に分かるのは、
細身だけど骨張った肩幅が、小さく揺れているだけだ。
「Aさん…変な絡み方してくるし…変態だし…」
『ねぇ何でこのタイミングで悪口挟んだ?』
「でも…年下には興味ないって…言ってたから…。
なのに…なのに、国見と付き合って…毎度惚気られる、
俺の身にだって…なってくださいよ…」
頭に浮かび上がるのは、
今まで白布くんに言ってきた英くんの惚気の数々だ。
…嫌に決まってる、そんなの。
あぁ、どうして気付いてあげられなかったんだろうなぁ。
ごめん…ごめんね、白布くん。
私、白布くんに甘えてたんだなぁ。
『……っ、白布、くん』
「!」
椅子に座ったままの白布くんを振り向かせて、抱きしめた。
身体が勝手に動いていた。
小さく震える肩を、どうにかして止めてやりたかった。
……白布くんは、泣いていた。
何で抱きしめたのか、私も頭が追いついてない。
目に溢れてきた涙を見られないように、ただ胸に閉じ込める。
「…っ…すき、でした…」
『……ん…気付かなくて…ごめん…っ…ありがとう…』
白布くんの腕が、私の背中に回された。
ゆっくりと時が過ぎていって、
やがて背中に回された腕が離される。
「…Aさんは、いつも通りでいいです」
『…うん…』
「ほら、涙流すくらいなら鼻血の方が似合いますよ」
『どこまでも通常運転だな!』
顔を見合わせて、お互い吹き出した。
白布くんが指の腹で私の涙を拭う。
…大丈夫、私たちはちゃんと、前に進める。
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Kuro ken(プロフ) - ニヤけすぎて表情筋がヒジョーに痛いw (2020年5月6日 14時) (レス) id: 43e95bf2f0 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - ルイちゃんさん» ありがとうございますぅうう!まさかそんなこと言っていただけるなんて、、!感極まって涙出そう、、!( ; ; )ありがとうございました! (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - Decemberさん» えええ嬉しいですコメントありがとうございます!!こちらこそ素敵なこと言ってくださるDecemberさんがいて本当に嬉しいです、、!( ; ; ) (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 嬉しいですコメントありがとうございます!!国見ちゃんわっしょいは不滅です(笑) (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - 瑞稀さん» 生きがいだなんて、、!嬉しいですありがとうございました!!白布くんも頑張りますので是非見てくださいぃい!! (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カカシ | 作成日時:2020年3月26日 14時