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40.ずるい ページ6





ペンギンを後部座席に乗せて、
英くんが買ってくれた海月はお互い鞄につけた。

近くのビアガーデンで夜ご飯を食べたあと、
(ビール飲みたかったちくしょう)

サンセットを横目に自宅へと車を走らせる。


やけに静かだな、と思って
赤信号で横をちらりと見ると、

首を痛めそうな姿勢で寝息を立てていた。



………ア〜……カワイイ……



たまにいるじゃん、俺が運転してんのに寝るな!って人。


私全く逆なんだ。むしろ寝て欲しいの。


何か安心してくれてるんだー、とか、
そんなに楽しんでくれたのかなー、とか思えるじゃん。


「…ん、」

『まだ30分くらいかかるから寝てていーよー』

「……おきる」




サイドミラーを見やると、
英くんが眠気を振り払うように頭をぶんぶん振った。


が、眠気には耐えられなかったのか、
またすぐに睡魔に敗北して眠りに落ちていった。



っはぁぁ〜……愛いわ…愛いよ英くん……っ



眠気に負けるとか小さい子供みたい。
いや、英くんなら全然育てる。

大きくなる様子をビデオに収めてベッド底に隠したい。


英くんの家から5分と離れていないコンビニの前に
車を停めて起きる気配のない寝顔を見つめる。


どくんどくんと全身の血液が脈打って、
身体が勝手に動き出す。



………欲が、頭の中を占めている。




この無防備な唇に触れてみたい、なんて。




…いいかな、ちょっとくらい。いいよね。

一応付き合ってるんだし、私年上だし。
幾ら英くんが可愛くたって、年上のプライドは保っていたい。



形の良い唇を指でなぞると、英くんは薄らと目を開けた。


「んっ」



間髪入れずに顎を捕まえて、触れるだけのキスをする。

何をされたか頭の理解が追い付いてきたのか、
どんどん顔が赤くなっていく英くんが可愛すぎて愛おしい。


「……ずるい…」

『なにがー?』

「……初めては俺からしたかったのに…っ」



大きな手で真っ赤な顔を覆う英くんを
揶揄うようにニヤニヤと見れば、涙目で見られて撃沈した。




ズルいのはどっちよ、こちとら死にかけたぞ。





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Kuro ken(プロフ) - ニヤけすぎて表情筋がヒジョーに痛いw (2020年5月6日 14時) (レス) id: 43e95bf2f0 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - ルイちゃんさん» ありがとうございますぅうう!まさかそんなこと言っていただけるなんて、、!感極まって涙出そう、、!( ; ; )ありがとうございました! (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - Decemberさん» えええ嬉しいですコメントありがとうございます!!こちらこそ素敵なこと言ってくださるDecemberさんがいて本当に嬉しいです、、!( ; ; ) (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - 神皇音雅樂さん» 嬉しいですコメントありがとうございます!!国見ちゃんわっしょいは不滅です(笑) (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - 瑞稀さん» 生きがいだなんて、、!嬉しいですありがとうございました!!白布くんも頑張りますので是非見てくださいぃい!! (2020年4月1日 22時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カカシ | 作成日時:2020年3月26日 14時

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