英くんが今日も愛しい【国見英】

39.綺麗 ページ5

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『かーわいい！』

「Aさん子供みたい」



アザラシのいるガラスケースに一目散に向かう私の後ろで、
英くんがクスクス笑っていった。

いいじゃん、アザラシ好きなんだもん。



『英くんってペンギンっぽいよね』

「なんで？」

『私可愛いでしょ？言われなくても知ってますみたいな感じ』

「ペンギンにどんなイメージ持ってんだよ」



ちなみにアザラシはね、
どうやったら可愛く見えるか知ってる感じ。あざとい。

くるーっと水族館を回ると、
海月(クラゲ)のコーナーにたどり着いた。

硝子に手を添えてぷかぷか浮かぶ海月を見つめる。




『私海月(クラゲ)飼いたいんだよね』

「海月って飼えんの」

『知らんけども。綺麗じゃない？』




ふわふわ浮いてて可愛いんだけど、
決して触ってはいけない。

"海月"という名前は、その名の通り
海に月があるみたいだって所から由来してるんだって。

なんだろな、たったそれだけなんだけど、

昔から家族で水族館に来たときは、
私は海月のコーナーから離れなかった。




『………綺麗』




暫くして海月の前から離れ、
最後のお土産コーナーへ向かう。


私が海月のストラップを手に取って見ていると、
英くんが同じものを２つ持ってレジへ向かった。



「おそろい」



呆然としていると英くんが戻ってきて、
海月を一つ私の手に乗せてくれた。


それだけで既に吐血しそうなくらい悶えてたんだけど、
英くんはおもむろに大きなペンギンのぬいぐるみを手に取って、



「似てる？」




もふん、とぬいぐるみに顔を埋めた。




『ん"んっ』

「待ってAさん恥ずかしいから連写やめて」






7000円でペンギン買いました。





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