【黒尾鉄朗】これを愛と呼ぶなら。#9

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そのキズを自分がつけたのだと気づくのに、

そんなに時間はかからなかった。


おそらく赤くなっている顔を両手で覆って隠したけど、


その手はいとも簡単に片手で振り解かれて。



黒尾「なに、恥ずかしくなっちゃったの？」


A「み、みないでっ」



鉄ちゃんはニヤッと笑って、




黒尾「______…その首の赤いヤツ？」




と、私の首元を指先で撫でた。




A「へ、」




鉄ちゃんの手を振り解いて、洗面台へ走る。




A「んなぁっ」




鏡に映し出されたのは、

ぶかぶかのTシャツの首元から覗く、


赤くなったキスマーク…が見えるだけでも10個ほど。




A「まって私この状態で宅配出たの⁉」




リビングに荷物を置きにいった鉄ちゃんの元へ行くと、



黒尾「そうだぞー？しかもそんなカッコで」




再び指を差されて自分の格好を改めて見る。



首元には10個以上のキスマーク、

ぶかぶかの黒いTシャツの下は何も着てなくて。








______…そうだ、起きた時何も着てなかったから、









___…寝ぼけて鉄ちゃんのTシャツ借りたんだった。







しかも、








後から出てきた男は上半身裸で、

見える位置にキスマークやら引っ掻きキズやらが目立ってて。








A「うぐ、」









______…さいっっっあくだ









A「…もう私2度と宅配出ない…！」


黒尾「そりゃ困るよ奥さん」

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