【及川徹】これを愛と呼ぶなら。#9

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及川「…ん、」



Aがテーブルの下で俺の手をそっと握った。


いつも通り白布くんを茶化しているのに、


テーブルの下では周りから見えないように、

いじいじと俺の指を弄んでくるのに、不覚にも胸が高鳴った。



花巻「にしてもさー、なーんか安心したわ」



唐突にマッキーがそう言うので、

俺含む4人は一斉にぽかんとしてマッキーの方を見る。


花巻「だってこいつさ？顔だけはいいじゃん」

及川「だけは余計だよ！」



反論するとマッキーにスネを蹴られた。

すぐ足出るとか岩ちゃんかよ！


スネを蹴られた痛みで目頭にじんわりと涙がたまる。


マッキーはそんな俺をよそに、

ジョッキを片手に口を開いた。



花巻「女取っ替え引っ替え！って感じだったけどー

　 Aとまた会ってから変わったんだよね」



マッキーが最後に一つ残っていた、

だし巻きを一口で食べて。



花巻「A、コイツのこと、よろしく頼むなー」



　
目の前に座る旧友は、

花が咲いたように明るい笑顔を見せた。




A「この人に付き合えるのなんて私しかいないでしょー？」




隣に座る彼女は、

テーブルの下で俺の手を握ったまま口角を上げた。





指が、そ、と絡めとられて、力が込められる。





及川「ま、Aに付き合えるのも俺ぐらいだしねっ」




だから俺も、




花巻
国見「「「それはねーよ/ないですよ」」」
白布


及川「なんでさ！」





握られた手に、力を込めた。

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