【及川徹】これを愛と呼ぶなら。#9

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A「んー…マンネリってわけじゃ…」



今年の春休み。

徹くんの試合を観にアルゼンチンへ飛んだ。



試合を観たあと、

レストランにディナー連れてってくれたり、

オススメのデートスポット連れてってくれたり。



すっごい楽しくて、すっごい嬉しくて。







けど、なんか。







なんか、ね。







A「引け目…感じちゃったんですよねー…」


白布「引け目？」


賢二郎がハイボールの氷をマドラーでつついていた。




A「徹くんは世界で戦ってる人で、すごい人で、

　なんか…次元が違うなぁ…って思っちゃってー…」



私も賢二郎の真似をして、カシスオレンジの氷をつつく。






だってさ、






高校の時から徹くんは、

やっぱり普通とは少し違かったけど、





今や、





世界のバレーボーラーで、やっぱり上手くなってて、

イケメンで雑誌にも結構取り上げられてて、



デートしてても時折り、

綺麗な女の人に声かけられてたりしててさ、





でもその彼女は、




それを側で支えてるわけでもなくって、

日本にいる、ただの女子大生で、


身長も体型も外国の人になんて絶対敵わないし、

部活と飲み会と講義とバイトしてるだけ。








______…釣り合わないよなぁ…って







半分残っていたカシスオレンジを、

一気に飲み干した。

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