【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

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で、今。


国見が合コンに誘われてて、

ちょっとからかってやろうと思っただけなのに。


思いがけず僕が助けた、みたいな構図になった。


さて、帰ろうと思った時、

スマホを取り出した国見の顔が嬉しそうに明るくなって。




あー、Aさんだろうな、





って思ったら、

次の瞬間には、ブスっと拗ねた顔になった。




月島「…君、ほんと顔によく出るよね」




国見に、

とりあえず話だけ聞いていけ、と肩を掴まれて。


乗り気ではなかったが、

奢ってくれるというのでしぶしぶ承諾。


2人とも未成年なので、健全にソフトドリンク。



オムライスを食べて、

最後にデザートでショートケーキを頼む。



このカフェに来て、

もう1時間近く経つが話の内容はずっとAさんのことだ。




国見「彼氏いるのに男と2人で飲みに行くってほんと…」




と、こんな感じのことをずっと机にうなだれて言っている。



月島「男と2人でって、ミヤオサムは従兄なんデショ。」



身内じゃん、と言うと



国見「いや…うん、そうだけど…」



と返されるのも何ターン続いたことか。



さっき、いい加減面倒くさくなってちょっとキレたら

奢ってやってんだぞこっちは、と逆ギレされた。



ピコンと通知のなる音が聞こえて。



国見「！」



スマホを取り出した国見の顔がパッと華やぐ。





______…ほんと、顔に出るなぁ






月島「Aさん？」

国見「うん…月島、ごめん俺ちょっと先出るわ」


月島「あぁ、うん」



僕がまだショートケーキを食べてるのを確認して、

国見はさっと鞄を手に走って出て行った。




______…迎えに行ったんだろうなぁ、




なんて悠長なことを考えていたが、

国見の席に置かれた伝票が目に入る。





月島「…あ？」





まって、アイツこれもしかして、





自分の分すら______…






月島「〜〜〜国見……ッ！！！」

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