【国見英】これを愛と呼ぶなら。#9

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遡って今から約半年前、

4月のこと。



全学年共通で受講できる授業で、

後ろの方の3人席に1人で座る先輩を見つけて。





話しかけるためそこまで行くと、





月島『『Aさん隣いいです……か』』
国見





同じタイミングで話しかけた奴と顔を見合わせると、

見たことあるやつだった。



国見とAさんが付き合っているという話は、

高校の時から知っていて。



Aさんの元にコイツが来たということは、

おそらく今も付き合ってるってことなんだろうと思い、



月島『あー…すみません』



違う席に移動しようとしたが、

生憎全学年共通で取れる授業というのは、


ほぼ全ての席が埋まるらしい。



A『月島じゃん！A大だったんだ！』



そんな僕の心もつゆ知らず。


久々だねー！ここ座んなよ！と嬉々としていうAさんに、

毒気が抜かれてしまったが、


彼女は、背後に立つ国見が顔をしかめていることに

一切気付いていなかった。




______…まあ、どうせ他に席空いてないし。





月島『お邪魔します〜』



国見の方に向いて笑顔を作ると、小さく舌打ちされた。



A『コラ！仲良くしなさい！』

国見『…すみません…』



思いっきり唇を尖らせるも、

Aさんの言うことを素直に聞く国見に、




僕はいいおもちゃを見つけた子供のような気分だった。

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