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62話 ページ13

魏嬰「おめでとう、お前らの目論みは見事成功した。



もう俺の我慢も限界だ。





お前らが言いたくないなら、こいつに自分で答えさせる」



すると、まるで彼のその一言をずっと待っていたかのように


硬直した温寧の体は突然びくっと動き出して顔を上げた







一番近くに立っていた二人の監督は悲鳴を上げる間もなく、すぐさま温寧の手のひらで


鉄の箍をはめるようにそれぞれ喉を絞められてしまう





周りを囲んでいた者たちの輪はますます遠ざかろうとしていくため


魏嬰から離れ、金氏たちに傷を負わせていく





金氏「魏公子!

魏公子!



どうかご容赦を!

衝動に身を任せては、取り返しのつかないことになります!」





雨は勢いを増し、雨水は魏嬰の頬を伝って絶え間なく流れ落ちる





彼はぱっと振り返り、手を温寧の肩先に置くと大声で叫んだ



魏嬰「温琼林!




誰がお前たちをこんなふうにさせた?




そいつらにお前たちと同じ結末を迎えさせてやれ。





俺がその権利を与えてやるから、綺麗さっぱり方をつけるといい!」



一音一音はっきりとした口調で告げ、それに応えるかのように


温寧は耳をつんざくような長い咆哮を発する






金氏「魏公子!!


どうか………ぁ…?」




彼の口からはその続きが発せられることはなく、かわりに血がドバっと溢れ出た




「黙れ





目障りだ」



魏嬰に縋ろうと伸ばした手を切り、彼の心臓を貫く







剣を抜き、魏嬰を見れば血が飛んでいた



「ごめん、血がついちゃったね」




頬についた血をそっと拭う




彼は目を合わせず、何も発しなかった



ズキリと胸が痛み、そっと抱きしめた






「行こう」



彼から離れて温情を抱え、馬の方へと歩いていく




魏嬰が馬の手網を掴んだ時、何者かが声をかけた





「……魏公子!」


俺たちが振り向くと、声の主は小柄で痩せた捕虜の一人だった




魏嬰「なんだ?」



微かに声を震わせながら、ある方向を指さして告げる





「谷……谷間のあっち側に、小屋が一軒あります。



奴らが……人を閉じ込めて、痛めつけるための部屋で





殴り殺 して、そのまま引きずり出して埋めていました。


捜している人は、まだあそこにいるかもしれません……」




俺と魏嬰は礼を言い、彼はその捕虜が示した方へと向かった




「君も逃げる準備をするんだ


馬を出来るだけ集めてくれ」





「わかりました…!」

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愛翔(プロフ) - みのもんたさん» コメントありがとうございます!嬉しい限りです!!なかなか更新出来ずに、申し訳ないです😫今のとこ藍渙との絡みは少ないですが、頑張ります!! (2月27日 0時) (レス) id: 3366d72dc2 (このIDを非表示/違反報告)
みのもんた(プロフ) - 最高ですこのお話、、、!✨この小説読んでからというもの藍渙loveになってしまいました😫ありがとうございます!更新お待ちしてます♡ (11月5日 15時) (レス) id: a405043ec8 (このIDを非表示/違反報告)
愛翔(プロフ) - 529zinbeizameさん» コメントありがとうございます!!嬉しいです(>ᴗ<)なかなか更新出来ていませんが、頑張ります! (10月8日 0時) (レス) id: f5161e3e77 (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました!とっても設定が好きです💕更新待っています! (2023年3月31日 23時) (レス) @page28 id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
愛翔(プロフ) - さきさん» コメントありがとうございます!!2回目?ですかね!?ありがとうございます(T^T)とても嬉しいです!!!最近、あまり話が思いつかず…苦戦していますが少しずつがんばります! (2022年10月7日 23時) (レス) id: 1430ab9c4b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:愛翔 | 作成日時:2022年2月19日 0時

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