検索窓
今日:2 hit、昨日:35 hit、合計:21,616 hit

60話 ページ11

監督責任者は慌てて言い訳をしようとしたが、魏嬰はそれが聞こえなかったかのように


言葉を遮って俺の名前を呼んだ






魏嬰「A!」



監督責任者の鳩尾に攻撃を打ち込み、鞘から剣を抜いて


よろめく彼に剣先を向けた






「確かに温氏がしたことは許せない。







ただ、温氏っていう姓が付いてるだけで何の罪もない人達が傷つけられなきゃいけないんだろうか?






こんなことはもうやめよう…


惨めだぞ」






監督責任者を見下ろし、そんなことをぼやくと一人の金氏が怒鳴りながら剣を抜いてきた





「ぱっといきなり現れてた貴様に何がわかる!?



岐山温氏の今までの仕打ちを!!」



それに続いて他の蘭陵金氏たちも襲おうと動いた



「わからないが、一言だけいえることはある」




それを易々と避け、背後を取る






「ぐっ!」


「お前らよりここにいる温氏たちの方がよっぽど善良だ」






魏嬰「ふっ


A、手加減してやれよ」



魏嬰はそう言いながら腰に差していた笛をさっと手に取る



その真っ赤な房を垂らしている黒い笛と、それを持つ黒ずくめの青年と


彼の傍にいる謎の青年の逸話は知れ渡っているため




温氏にとっては、悪夢となっている



中には叫び声を上げ、逃げる者もいた





魏嬰は陳情を口元に持っていくと、物寂しく甲高い音を響かせ



谷間中にその余韻がこだまする





ただ一音を吹いただけですぐに陳情を収め、魏嬰は腕を下ろして冷ややかな笑みを浮かべた






ほどなくして、いきなり悲鳴が聞こえてきて



俺たちを囲っていた金氏は慌てふためいて転がったり、這いつくばったりしなが逃げようとしていた





「お前ら、誰が逃げていいと言った?」






急所をあえて外し、逃げようとした金氏に傷を負わせて行く手を防ぐ





そして皆が恐怖で慄いている彼を見た



顔色は蝋のように青白く、瞳孔は開いていて、口元の血痕も既に焦げ茶色になって固まっている




胸部が呼吸で起伏している様子はなく、明らかに肋骨が半分ほど潰れているのがわかる





「温寧……」



この状態を見れば、彼がまだ生きているとは誰も思わないだろう






しかし、温情は諦めず震えながら脈を測り



潰れた肋骨を繋ぎ合わせようとしていた




可愛らしい顔は涙でぐしゃぐしゃになって歪み、あまりにも大きな衝撃を受けた彼女は


耐えきれずに気を失った






後ろに立った魏嬰は温情を受け止める

61話→←59話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (127 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
262人がお気に入り
設定タグ:魔道祖師 , 陳情令 , 藍曦臣
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

愛翔(プロフ) - みのもんたさん» コメントありがとうございます!嬉しい限りです!!なかなか更新出来ずに、申し訳ないです😫今のとこ藍渙との絡みは少ないですが、頑張ります!! (2月27日 0時) (レス) id: 3366d72dc2 (このIDを非表示/違反報告)
みのもんた(プロフ) - 最高ですこのお話、、、!✨この小説読んでからというもの藍渙loveになってしまいました😫ありがとうございます!更新お待ちしてます♡ (11月5日 15時) (レス) id: a405043ec8 (このIDを非表示/違反報告)
愛翔(プロフ) - 529zinbeizameさん» コメントありがとうございます!!嬉しいです(>ᴗ<)なかなか更新出来ていませんが、頑張ります! (10月8日 0時) (レス) id: f5161e3e77 (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました!とっても設定が好きです💕更新待っています! (2023年3月31日 23時) (レス) @page28 id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
愛翔(プロフ) - さきさん» コメントありがとうございます!!2回目?ですかね!?ありがとうございます(T^T)とても嬉しいです!!!最近、あまり話が思いつかず…苦戦していますが少しずつがんばります! (2022年10月7日 23時) (レス) id: 1430ab9c4b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:愛翔 | 作成日時:2022年2月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。