もしもね

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―俺は普通の人とは違う。

ナルシストとか思春期のイタい疾患を患っているわけでは無い。

本当に違うのだ。

高校生までは普通に生活していて何か人と違うところはなかった。
まあ、学生のうちから”仕事”をしていて周りとは少し違う環境にはいたが。

その今までの普通がなくなってしまったのは２０歳の誕生日の日。急に身体中が痛み出して気を失った。そして目が覚めると

体が縮んでしまっていた。

某高校生探偵の台詞を借りたが、縮んでいただけではなかった。
身体中にグレーの毛が生え、音を過敏に聞き取り、言葉は唸り声しか上げられない”イヌ”になってしまったのだ。

当然、その状況にパニックになった。
しかし、しばらくすると体は元に戻ってくれた。数ヶ月も経てば体が慣れてきて勝手にイヌになるような事は減り、自分の意思で調節できるようになったが、それまでは仕事仲間兼メンバーにはとても迷惑をかけた。

あいつらの順応力に感謝している。
約１名、「え！そういうアニメめっちゃ見た！やっば！すげぇじゃん！」って反応違うやついたけど。

まあつまり、現実は小説より奇なりってこと。あの日から俺は人間とイヌの姿を行き来できるようになってしまったのだから。

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