５４話 ページ10
菜々花said
１週間の仮入部が終わり、今日から本入部。
つまり、今日演劇部に来た１年生が演劇部に入部してくれる子という訳だ。
「･･････。」
──２人。
女の子と男の子、１人ずつ。
何回数えてみても、やっぱり２人。
今年の新入部員は、たったの２人だ。
「そんなぁ･･････!!」
「まあ、あんまり多くても名前覚えられないし。ちょうどいいだろ。」
「何言ってるの！可愛い後輩の名前なら100人だろうと1000人だろうと覚えるよ！」
「マジで？俺、部活の同級生でも名前覚えてない奴いるよ。」
「それは桜哉君だけだから･･････。」
「じゃあ、まずは１年生から自己紹介してもらってもいい？」
赤澤先生が言うと、２人のうちの１人、女の子の方が元気よく立ち上がった。
「はい！１年５組、坂本愛です！役者をやってみたいです！よろしくお願いします！」
小柄で細身な体型に、幼めな顔立ち。
そんなに長くない髪は、耳くらいの高さで２つに縛っている。
それに、今のハキハキとした口調。いかにも先輩ウケしそうな感じだ。
「１年４組の安田晴人っす！はるちゃんって呼んでください！」
次は、男の子の方。
少しくるくるした栗色の髪に、丸くて大きな目という可愛らしい容姿。
そして、今のお調子者感溢れる自己紹介。この子、絶対モテるタイプだ。
「はい、じゃあ次は２年生。」
「今日はこれで終わり。着替えて。」
部員全員の自己紹介と、演劇部についての簡単な説明をして、本入部初日は終了。
「菜々花ー。」
「はい？」
制服に着替えていると、赤澤先生が声をかけてきた。
「菜々花、１年生担当ね。」
「え？」
「今年は１年生２人しかいないし、菜々花だけで十分でしょ。」
「はあ･･････。」
「基礎練ちゃんと教えてよ。」
「わかりました。」
それだけ言うと、先生は小テストの丸つけを始めてしまった。
「･･････。」
説明、あっさりすぎません･･････？
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作者名：鈴蘭姫 x他1人 | 作成日時：2017年3月19日 10時
