５５話 ページ11
菜々花said
「よーし、今日も部活頑張ろうね！」
「やけに気合い入ってんな。」
「そりゃ私、１年生担当だもん！先輩らしく、しっかり面倒見てあげなきゃ！」
「キャー。楯野先輩ステキー。」
赤澤先生から�爍映�生担当�瓩貿ぬ燭気譴人眛�の放課後。
私は、桜哉君と一緒に演劇部の活動場所であるステージへ向かっていた。
あとで先輩に聞いてわかったんだけど、
うちの演劇部では毎年、１年生の面倒は２年生が見る事になっているらしい。
理由は、２つ。
ひとつは、この時期は春の大会が近いから、音響、照明、大道具、小道具等、
各チームのチーフである３年生は忙しくて、１年生に割く時間が無いため。
もうひとつは、その年の文化祭で引退する３年生とは違い、
２年生と１年生はその後も丸１年間、一緒に劇作りをしていく事になるため。
入部したての１年生の面倒を２年生に見させることで、
より早い段階で信頼関係が生まれ、良い劇を作りやすくなる･･････らしい。
思い出してみれば、去年私たちに色々と教えてくれたのは当時の２年生だった。
今は３年生となったその先輩たちとは、確かに仲良くやれていると思う。
「あれ、まだ誰も来てないみたいだね。」
体育館に入ってステージを見ると、まだ赤幕が閉まっていなかった。
最初に来た人がステージの電気をつけ、幕を閉めて演劇部の活動場所を作るのだ。
「石山先生って、帰りの会終わるの速いよな。話も短いし。」
「そうなの？私、１年生から石山先生だからわかんない。」
「あ、そっか。２年連続とか、お前気に入られたんじゃない？」
「そうかもね〜。」
「認めんのかよ。」
「あはは、冗談！」
そんなとりとめの無い会話をしながらステージに上がり、荷物を置く。
私に向けてくれる表情のひとつひとつが愛おしくて、ニヤけてしまいそうだ。
こうやって毎日一緒に部活に行けるなんて、同じクラスって幸せだなあ･･････。
「よし！」
幕を閉め切った瞬間、運動部の熱気に包まれた体育館との境界線が出来て、
そこは特有の雰囲気を持った演劇部の場所になる。その独特な感じが、私は大好きだ。
──っていうか、
「･･････。」
「･･････。」
何気に２人っきりだ･･････。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴蘭姫 x他1人 | 作成日時：2017年3月19日 10時
