80話 ページ36
菜々花said
「──で、あんな暑い中”延長デート”してきたわけ?」
「いや、デートというかちょっと散歩しただけというか・・・・・・。」
「散歩だけだろうが何だろうが、両思いの2人が出かけたらそれはデート。」
「両思いって、まだそうと決まったわけじゃ・・・・・・。」
「別れ際に”延長とかあり?”は絶対好き、間違いない。しかもあの他人どころか自分にも興味無さそうな如月くんがそこまで言うとか相当よ。」
「・・・・・・やっぱ日向もそう思う?」
まさかの”延長とかあり?”発言の翌日。都合よく私も日向も部活が午前で終わりだったので、
近所のファストフード店で一緒にランチをしながら昨日の擬似デートについて話していた。
「”やっぱ”って・・・・・・そうよね、こんなわかりやすいサイン出されて何も察しない菜々花じゃないか。」
小学校の頃から、色んなタイプの男の子と上手く距離を縮めてはそのハートを掴んできた私 。
だから、男子が私のことを意識してるかどうかはすぐにわかる。
桜哉くんの場合も、正直今までに何回か”あれ、桜哉くん私のこと好きなのでは?”と思うことはあった。
でも、私にとって桜哉くんは男ウケテクとかそういうのではなく”私”のままで近づきたいと思った初めての相手。
ついつい希望的観測をしてしまって、冷静な判断が出来なくなっていてもおかしくない。
でも、日向からもそう見えるのなら・・・・・・本当にそうなのかもしれない。
「明後日からさ、演劇部で合宿みたいなのするんだよね。2泊3日で。」
「へー、運動部みたいなことするのね。」
「チャンスじゃない!?」
「何の。」
「私が桜哉くんとの両思いを確信するの!朝から晩まで3日も一緒にいれば、何かしらわかる気がする。」
「確信してどうするの?告白する?」
「いや、向こうから告白させるように仕向ける!」
「・・・・・・相変わらずね・・・・・・。」
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴蘭姫 x他1人 | 作成日時:2017年3月19日 10時