65話 ページ21
裕太said
いつも最終下校時刻ギリギリまである部活が、今日は珍しく早く終わった。
いつも部活でクタクタになって帰るのに、今日はまだまだ元気だ。
「あ、いい事思いついた!」
体力が有り余って変な感じだから、うさぎ跳びで帰ってみよう。
「126!127!128!」
うさぎ跳びで進み続けること5分。
「・・・・・・あ。」
俺は、ふと足を止めた。
俺の帰り道には公園があるのだが、その公園にこの学校の制服を着た男女がいる。
ベンチに座って何か話しているらしい。くそー、リア充爆発しろ!
「・・・・・・ん?」
──あのリア充、何だか見覚えがあるような気がする。
そこそこ距離があるのではっきりとは見えないが、男の方はメガネのもやし野郎。
女の方もメガネをかけていて、髪が短くて小柄・・・・・・。
「んんんんんん〜?」
──あ。
「あーーーーーーーーーっ!!」
2人が誰だかわかった瞬間、俺の体は無意識に飛び出していた。
公園のベンチめがけて、猛スピードで一直線に進んでいく。
──ちなみに、うさぎ跳びで。
「ゴッルァァァァァァ如月ィィィィ!」
「え?うわ、ちょ、何だ!?」
「テンメェ何しとんじゃこの浮気野郎がァァァァァ!!」
「ひ、広岡!?」
如月の前まで来た俺は、感情に任せて如月の胸ぐらを掴む。
「お前何考えてんだよ浮気とか最低だぞ!しかも村本とか菜々花の親友じゃねーか!」
「えっとー・・・・・・何の話?」
「あー、ごめんなさい如月君。ちょ〜っと広岡君と2人で話させて?すぐ戻るから。」
「あ、ああ。」
「何すんだよ村本!まだ話終わってねーって!」
「うるさい。黙って着いてきて。」
村本に無理やり引っ張られ、公園の端に連れてこられる。
「いーい?広岡君、よく聞いて。」
「──それで、菜々花と何かあったみたいだったから話を聞いてたのよ。」
「なんだ、そーいう事だったのか!」
「・・・・・・ま、誤解が解けたみたいで何よりだわ。」
嫌味たっぷりに言う村本。
「どうもすいませんでした・・・・・・。」
結局俺は、謎にキレながらうさぎ跳びで突進してきた人になってしまった訳だ。
めちゃくちゃ恥ずかしい・・・・・・。
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作者名:鈴蘭姫 x他1人 | 作成日時:2017年3月19日 10時