POM's diary the Fantasia！～４人であるからこそ～ (ページ9)

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９，変わるんだ。〈チアキ side.〉ページ9

〈チアキ side.〉

洞窟って、結構暗いな。
たいまつ2スタックくらい、簡単に使い切っちゃいそうだな。

鉱石、全然無いじゃん。
全くもって見つかんない。さっきの洞窟に引き返したほうが良かったかな？

ユ「あ、ラピスラズリ。」

・・・！！？

ラピスラズリ！？
それって立派な鉱石じゃん！

ユカってばナイス！私には無い観察眼だよ。

チ「マジか！どこどこ！？」

ユ「ここ！採るよ」
チ「はーい」

真面目にユカの言うとおりにする。
たまに間違って普通の石を採っちゃうけど、多くて損は無いからね。

しばらくしてから、やっと採り終えた。結構量が多かったな。
あたりは採り始めた頃より暗くなっている。

確か、ゾンビが出没し始めた時もこれくらいの暗さだった気がする。

チ「たしか、コレくらい暗くなってきたら・・・」

ユ「なってきたら・・・？」

≪ガｒｒｒｒｒｒ・・・≫

ゾンビ登場・・・マジか・・・
今になってから怖くなってくる。

そんな自分ってどうなんだろう、って思う。
今の今まで張り切っていたのに。

一気に体が冷えていくのが分かった。

チ「ら・・・」
ユ「ら？」

≪ガｒｒｒｒｒｒｒ・・・≫
≪シュバーン≫

チ「・・・」
ユ「・・・何？？」

無言の中、ゾンビたちがこっちへ来る音ばかりが響いている。
私の顔だけを不思議そうに見つめるユカ。

これだけ音が響いてるのに、気づかないユカも、ユカだけど。

チ「ら・・・ぞっ・・・・・・」
ユ「ら、ぞ？」

≪シュバーンシュバァァン！！≫

≪ガｒｒｒｒｒ≫

どんどん近づいてくる。
もう、私が行くしかない。

ユカを守るって、恩返しするって。
決めたんだ。

守られる側のユカに、戦わせるわけにはいかない。

チ「ユカ！」
　「今すぐ逃げて！！」

ユ「逃げっ･･･！？」
　「でも、チアキ、」

今までは、不器用なことだけを理由に、ほとんどをユカに任せっきりだった。
自分が中心になって何かをするなんて、到底出来なかった。

変わりたい。
絶好のチャンスだ。

そう思って、剣を取り出そうとするユカに向かって一言。

チ「いいから逃げて。」

　「早くっ！！」

ユカは、走って逃げていった。
素直に信じてくれるユカのその性格は、私だったら出来ない事だってある。

そんなユカを信じて、ただただゾンビを倒すのみ。
恩返し。

私の“今”を作ってくれたユカ。

出せる力の、全てを。