６，いつもの。 ページ6
家のドアを出てみると。
チアキがぜぇはぁ言いながらカオルにしがみついていた。
よっぽど怖かったのか、それとしか解釈できない顔つき。
そういえば、チアキがああいう臆病な所はは久しぶりに見たような気がする。
いつも周りを見計らってふざけてる可愛いやつだからかな。
チ「あ、ユカぁ！！」
「ヘルプミー！」
「明日は洞窟、一緒に来て〜」
ユ「はいはい・・・それで、ゾンビって何体くらい居たの？」
「参考にしときたくて。」
チ「ゾンビ・・・10体は居たよ？普通に。」
ユ「えっ、じっ・・・10体！？」
チ「そう、10体。」
平然とした顔つきで『10体』か・・・
ま、いつも通りのん気なチアキってことは確か。
ゲームだから、誰かがチアキになりきる事だって簡単だよね。
そう。チアキのあの“のん気”は誰にも真似できないくらいの“のん気”なんだ。
カ「じゃあさ、明日は今日と違う洞窟に行ってみたら？」
「また違った鉱石が採れるかもよ」
チ「そっか！それだ！！」
「なんかさ、同じところに繰り返し行くのもどうかなぁって。そう思ってたとこ。」
カ「・・・今日はもう遅いし、寝よう？」
「案外、日の暮れは早いもんだね」
チ「そっか、そうだね。寝よ。」
チアキはカオルと話した後、すぐに二階へ向かった。
私もそろそろ寝ようかな。
明日に備えて。
.
一回寝て、起きたのは次の日の真昼間。
身体中がなんとなくだるい。
それもそのはず。いきなりサバイバル生活が始まったんだもん。
そりゃあ だるいはず。
そとに出てみる。
カ「はいコレ。」
「たいまつ64個×2スタック分。」
「これくらい多めに持ってかないと、またゾンビに殺されちゃうよ？」
チ「おっ、気が利くね〜！」
・・・世話を焼くカオルに、のん気に返事をするチアキ。
てか、もう行くんだ？
でも本当にこんなサバイバルでのんきにやっていて良いというものなのかな。
ちょっと心配になってきているのが自分でも分かる。
チ「お〜い、ユカ！」
「行くよぉ！！」
ユ「はいはーい！」
.
心配なくらいのん気なチアキと一緒に歩き出したその先に、木が生えすぎてこれまた心配で
霧が立ち込めている、大きな山があったことに気付いた。
気付いた時にはもう、目指す洞窟が地図に見えてた。
のん気なチアキは霧なんて気にしない様子。
ほんとに大丈夫か・・・？？
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作者名：琴原あなご | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/debun1/
作成日時：2017年10月24日 16時
