"俺"の存在意義は

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じっと藤ヶ谷の背中を見つめても
アイツは全く俺を見ようとすらしない。

俺と藤ヶ谷の距離は、女と男に置き換えれば
こんなにも切なくて遠いものだった。









北「.........俺、今日はもう帰るわ」


横「えっ、ちょｯ...みっちゃん！！」







いつまでたっても見てくれない藤ヶ谷に
これ以上現実を目の当たりにするのが辛くて

早口で告げながら、楽屋を飛び出た。



　




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いや、









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飛び出ようとした。









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藤「待って...迷子になられたら迷惑だから...
　だから俺達から離れないで、分かった？」


北「う、ん...っ//」









引き留められた左手。
見ればアイツが手首を握っていて...

それだけで心臓は壊れそうなくらい、一生懸命に全身に血液を送り出してる。
　

ドクドクと駆け巡り、女になって色白になった俺のカラダはほんのりと紅く色付いた。






『離れないで』

それって、傍に居ても良いってこと？

俺はこれからも、"俺"を持って
生きて行けるってこと？


何だか認めてもらえたみたいで、これから傍で
支えてやることが出来るんだ。って

嬉しくて嬉しくて...仕方が無かった。


藤ヶ谷の不器用な優しさと、戻っていく後ろ姿に
何故か胸が高鳴った。







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ニ「ねぇねぇ、俺さ。
　今日家に帰れないんだよね。みつどーしよ！」





グラビア撮影のメイクも着替えも終わり
撮影開始まで、少し開いた時間。

わちゃわちゃとしていると、二階堂がそう言い出した。







つまり、今日俺の帰る家が無いってこと。








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今の俺にとっては死活問題だ。

と、急遽会議が行われる事となった。









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玉「ごめん。俺も今日遅いから無理っぽいわ」


宮「塚田会が有るんだぁ〜...ごめんね？」


千「俺も今日はちょっと...ごめん宏美！」








弟達4人はどうやら忙しいみたいで全滅...
まぁ有難い事だな！！

あとはよこーさんと...藤ヶ谷。


(んー...よこーさんがいいなぁ。)






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だって...藤ヶ谷と居ると、なんか苦しいから。

女って面倒だから、藤ヶ谷の素っ気ない感じが
いちいち悲しくなっちゃうんだ、よね。んはは。






話し合う二人を見つめながら、ぼや〜っと考えていた。




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