【名探偵コナン】転生作家の心得 (ページ6)

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05.『始まるは複数のミステリー』ページ6

ミステリートレイン乗車当日、私はパソコンにスマホ、一眼レフに財布と云った必要最低限の荷物を斜めがけバックへと入れ駅にて待つ。

ちらりとベルモットが変装してる赤井とかトリプルフェイスとか死神子供名探偵とか見てない。私は平和に行くと決めている。そうしてやって来た車両に乗り込んだ。

景色が流れていく。このモデルとなったオリエント急行は、ポアロがシリアでの仕事を終えイスタンブール行きの寝台特急に乗った事から始まるクリスティの名作の一つだ。映画の題材にもよく採用されており、誰しも名前くらいは聞いたことはあるだろう。

暫くはゆっくりしていよう。そういえば、私も推理作家としてミステリークイズに参加するように言われていたような、行かないけれど。絶対行かないけれど。だから愛梨に任せたんだ、頼むぞ愛梨。

暫くしてのことだった。扉がノックされた。私は立ち上がると、小さく扉をあけて覗いてみる。そこには、何処かでみたことある人物が立っていた。

「貴方が海月先生ですね、私、貴方と江戸川乱歩賞で一緒に選考委員をさせていただく東野です。」

「ミステリートレインで真逆の本物のミステリー……

いや本当に笑えない……」

愛梨は目の前の死体から目を逸らすようにそううわ言のように呟いた。

「最近愛梨姉ちゃんって、海月先生に似てきたね」

その様子に場が悪いが、コナンは愛梨に対して言いつつ、その死体を眺める。

「えっ！本当！やった、海月先生に報告しよ」

「多分、うるさいだけで終わると思う……」

愛梨は打って変わって喜んだが、見事にその後のコナンにとどめを刺された。言葉に詰まった愛梨を置いて、推理タイムへと探偵達は入った。