【名探偵コナン】転生作家の心得

16.『上賀茂愛梨の不運　その弐』 ページ17

「被害者は村亀真矢、42歳。IT企業に勤める会社員です。」

高木はメモ帳に書かれていた事を読み上げる。

「死因はナイフによる刺殺。心臓を狙って真上から刺されたと思われます」

高木の言葉に目暮は頷き、被害者を見る。第一発見者は、バイト帰りの男性だった。夕方までのシフトを終え、従業員出口から出ると、人が倒れていたという。具合でも悪いのかと思い、声を掛けてみると胸から血を流して死んでいたという。

「うむ、取り敢えず被害者の身辺を洗うんだ、いいな」

周りの刑事達は自分の上司の指示に頷いた。


＊＊

「あれ、まだ愛梨姉ちゃん、来てないの？」

コナンは首を傾げ、梓に尋ねる。隣では安室が食器を洗っている。

「そうなのよ、コナン君。一応連絡はもらったんだけどね、本人からじゃないけど」

梓はコナンに苦笑いを向け、安室に同意を求めた。彼も同じようにして頷いた。

「風邪って言ってたんですけどね。まぁ、明日には復帰するだろうってその人言ってたから」

「ふーんそっかぁ」

次の日になっても愛梨は出勤せず、また本人ではなくその人物が電話をかけてきたのだった。

17.『上賀茂愛梨の不運　その参』→←15.『上賀茂愛梨の不運』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す