氷の少女 ページ30
階段を下ると、１階はなぜか電気が消えていた。
階段の斜め前の正面玄関は椅子や空の棚でバリケードが作られて封鎖されていた。それの隙間から外の明かりが少し入ってきているぐらい。
正面玄関から入ってすぐの待合室を見たけれど空っぽで誰もいない。
多分診察室とかにいるんだろうけれど、廊下には外からの明かりが届かない上に窓もない。奥に行けば行くほど真っ暗になって何も見えない。
どこかに明かりのスイッチがないだろうかと壁を見た。でも、明かりのスイッチらしきものは見つからない。
急がないといけないのに……。
探しても明かりのスイッチは見つからなかったので、手探りで行くことにした。
一応まだ見える手前の部屋から見ていこうとして、扉の取っ手に手をかけた。
「ひっ」
取っ手はとんでもなく冷たくて、思わず手を離した。あの軍人みたいな人の手よりずっと冷たかった。
目を凝らしてよく見てみると、扉ごと氷に覆われていた。だから冷たかったんだ。
一体何があってこんなことに？
この中に何かあるんだろうか？
袖に手を引っ込めて、直接氷に触らないようにして取っ手を引っ張ったけれど、扉はびくともしない。
だめだ。
よく見てみると扉だけじゃなくて、床も同じように凍りついている。
どうしようかと考えていると、廊下の奥からひたひたと足音がこちらに近付いてきた。
「ねぇ……。だれかいるの？」
女の子の声。
「ねぇ、こたえて？」
はっきりとまではいかないけど、姿形が見えるくらいまでその子は近付いてくるとそこで立ち止まった。
着物みたいな服を着た女の子だ。１０歳くらいだろうか。
その子の足元の氷がどんどん厚くなっていく、廊下が凍ってしまっているのはこの子のせいだろう。
「こんにちは。わたしねユキっていうの。ほんとのなまえおぼえてないから……、ちがうかもしれないけど、いまはユキってよんでね」
ユキと名乗った女の子はにっこりと笑って見せた。
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ぺぽん(プロフ) - すっごく面白いです！どのキャラも個性的で読むのが楽しい🎶応援してます！ (2022年8月21日 7時) (
レス) @page49 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
ペンバタのサブ - 神作だあああああああ！！！応援してます！ (2022年4月11日 15時) (レス) id: a2299a2d24 (このIDを非表示/違反報告)
頭は痛くない(プロフ) - 衛生兵079さん» 投稿しました!(返信不要です) 衛生兵079様の他の作品もいつも拝見させて頂いております...沢山の素敵な作品をありがとうございます💓😭 (2022年2月6日 17時) (レス) id: 267274e32b (このIDを非表示/違反報告)
衛生兵079(プロフ) - 頭は痛くないさん» 大丈夫ですよ。 (2022年2月6日 16時) (レス) id: fb9fb2071f (このIDを非表示/違反報告)
頭は痛くない(プロフ) - 衛生兵079さん» ありがとうございます(TT)描き終えたら私の作品の“デジタルなイラスト集”に載せたいのですが大丈夫でしょうか、もちろん衛生兵079様の作品のキャラクターだということは明記致します (2022年2月6日 14時) (レス) id: 82fde595ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2018年6月9日 16時
