邂逅 3 ページ4
杖もシルクハットも生きているようで目をギョロギョロと動かしこちらを見ている。
想像していたよりも、かなり奇妙な見た目
のそいつを見ていると、紙袋に空いた1つの穴の奥にある目と目が合った。
「……お前か」
「はい、恐らく」
潰れたような掠れた低い声でそいつが答える。
「入れ」
しかし、そいつは一向にその場から動く気配がない。
「おい、早くしろよ」
「はぁ……」
そいつは首をかしげるばかりで動かない。
「あなたが、その、えっと、僕……、いや、俺、違う、私……、えっと、あー、自分、あの、えっと、え、あ、うー、あの、あのね……、ああっ！」
腕を引っ張り、半ば強引にそいつを家の中に引き入れ、扉を閉めた。
「少し、痛かった。なんで、そんな、酷い」
「もたもたしてるからだ」
「あぁ、そう」
そのままそいつをリビングのソファーまで引っ張っていき、座らせる。
それと同時に杖とシルクハットはそいつの手を離れ部屋の隅へと移動し、小さく震えながらこちらの様子を伺っているようだった。
「……あの」
「何だよ」
「あなたが、あの、えっと、角の人が言ってた人？」
角の人というのは恐らくザカリーのことだろう。あいつは頭から黒い角が4本生えていたはずだ。
「あぁ、そうだ」
「そう。一緒にいて、くれるの？」
「……正直嫌だが、そうだ」
そう答えると、そいつは紙袋の奥の目を輝かせた。
「えっとね、僕、はね、あ、その前に、あなたは？ 何て呼べばいい？」
「……何だっていい、好きに呼んでくれ」
「名前は？」
いつだったか、契約の代償として名前を取られて以来思い出せないし、名前を覚えているやつもいない。
「お前の呼びたいように呼べばいい。何なら、今ここで俺に名前を付けてくれ。名前がないってのは意外と不自由でね、呼び名があった方がいいと思っていた所なんだ」
これで、気に入らない名前だったら殺そう。いや、駄目だ。殺すのは駄目だ。
手紙のことを忘れていた。
「じゃあね、えっとね、うーんとね、あ、モノクロって呼んでもいい？」
そいつはしばらく考えた後、そう言った。
「モノクロ？」
「そう、モノクロ」
「何故？」
「僕の好きなゲームの主人公の名前。それに、かっこい
い感じしない？ ね？」
と言ってそいつはまっすぐな目で俺を見る。
「……まぁ、それでいいや」
それが、あいつと初めて会った日のことだった。
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あんみつすむーじー(プロフ) - ああああ！！モノクロ優しいｯｯｯ！クエスチョンいい子ｯｯｯ！最推し尊いｯｯｯ！！好きｯｯｯ！ (2022年3月22日 13時) (
レス) @page42 id: 61f5df45e6 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - ヤバいヤバいヤバい!!!モノクロとクエスチョンの絡み大好きなんだが！特にモノクロが弱ってるときのやつが好き!!! (2021年12月26日 0時) (レス) @page39 id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
玄米 - 新作ぅ！！嬉しいですよぉぉ！！めっちゃ早くに見れてすごく嬉しいです。イラスト集のやつに載せてたやつですよね？めっちゃ見てぇと思ってました。ありがとうございます！！by謎にコメント率高いやつ (2021年4月19日 16時) (レス) id: 1208f61fed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2021年4月19日 2時
