はずれくじ 1 ページ23
悪魔召喚は意外と誰でも簡単にできる。
円とその中に簡単な図形を描いて、生贄、なにかそういう呪術的な道具、召喚者自身の血液のどれかを配置し、ちょっと念じれば大抵は成功し悪魔が召喚される。
それは子供でも、老人でも関係なく、やり方さえ知っていれば誰でもできる。
しかし自分が召喚したい悪魔を召喚するのは非常に難しい。
弱い強いに関係なく、毎回完全にランダムで悪魔が召喚されるからだ。
描く図形や配置する物によって召喚したい悪魔が召喚される確率は数パーセントだけ上げることができるが、目的の悪魔以外にも悪魔は何百という数がいる。
その中で確率が数パーセント上がっただけでは、目的の悪魔に出会える可能性は低い。
こればっかりはどうにも神頼みなのだ。
悪魔側もいつ自分がどんな人間に召喚されるか分からない。
自分の願いを叶えることができる悪魔に当たれば幸運だがそうでない悪魔だった場合、召喚した人間の末路はほぼ決まっている。
「ほ、本当に、成功したのか……」
どこかで見たことのある若い男が呟く。
男の目の前に描かれた魔法陣の中心に立つのはクエスチョンだった。
先程クエスチョンが急に召喚され、姿を消した。
どこへ行ったのか探してみると召喚した男の自宅らしく、家から案外近かったので、ちゃんとやれているのか見ようと思ってここまで来た。
教えた通りできるだろうか。
前回は契約した人間に逃げられていたから、今回こそはしっかりやってもらわないと困る。
これができなきゃ、アイツに気に入られるとか以前に悪魔として問題がある。
物影に隠れ、二人の様子をうかがう。
「はじめまして」
クエスチョンが大きな声で挨拶をすると、男はびくりと体を震わせたがすぐに挨拶を返した。
「はじめまして……」
「それで、今日はどうしたんです? 悪魔を呼び出すからにはそれなりの理由があるでしょう?」
そう言うと、男は静かに語り始めた。
「じ、実は僕はアイドルの仕事をしてましてね。前はものすごい人気で、でも最近、仕事が減ってきてまして」
あぁ、そうだ。道理で見たことがある気がする訳だ。
何となくでつけたテレビの番組にでていた男だ。確かイケメン特集とかいうくだらない番組だった。
クエスチョンがすぐにテレビを消してしまって一瞬しか見なかったが、なんとなく覚えていた。
10人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんみつすむーじー(プロフ) - ああああ!!モノクロ優しいッッッ!クエスチョンいい子ッッッ!最推し尊いッッッ!!好きッッッ! (2022年3月22日 13時) (レス) @page42 id: 61f5df45e6 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - ヤバいヤバいヤバい!!!モノクロとクエスチョンの絡み大好きなんだが!特にモノクロが弱ってるときのやつが好き!!! (2021年12月26日 0時) (レス) @page39 id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
玄米 - 新作ぅ!!嬉しいですよぉぉ!!めっちゃ早くに見れてすごく嬉しいです。イラスト集のやつに載せてたやつですよね?めっちゃ見てぇと思ってました。ありがとうございます!!by謎にコメント率高いやつ (2021年4月19日 16時) (レス) id: 1208f61fed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:衛生兵079 | 作成日時:2021年4月19日 2時