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変な奴 ページ50

違う。こんなはずじゃ……。

 頭をグシャグシャにかきむしってうずくまる。

 良い子にしてたはずなのに、こんなに大きくなるまで待ったのに。

「やぁ、こんなところで何してんだ?」

 聞いたことのある声。

 いつの間にか周りは暗くてじめじめした、広い部屋になっていた。

 ここは確か、もう使われていない教室、だったはず。

 その教室の隅に自分は座っていた。膝の上には食べている途中の腐りかけたサンドイッチがのっている。

「ん、あ、えっと……」

「誰も来ないような所でさ、一人で腐りかけのもの食べて、友達いないのかぁ? それとも、人と関わるのが苦手、とか……」

 声をかけてきた相手と目を合わせた途端、相手は黒い目を見開いて、驚いた顔のまま固まってしまった。

 まずい。見られないようにしなくちゃいけなかったのに、急に話しかけられて忘れてしまっていた。

「あ、ごめんなさい……。今、別のところに行くから……」

 残ったサンドイッチをパーカーのポケットに突っ込んで立ち上がったとき、驚いた顔をしていたそいつはニヤリと笑った。

「……珍しい色だな。ちょっと驚いた」

「は?」

「その色。赤なんて珍しい目の色だ」

「……それだけか?」

「それだけ? 他にどう思って欲しいんだ?」

「いや、別に……。もうほっといてくれ」

 そいつを避けて教室から出ていこうとすると、そいつは腕を掴んで引き止めてきた。

「なぁ、待ってくれよ。どうやったら学生食堂に行けるか教えてくれ、っていうか案内してくれないか? この大学に友達が通っててさ、会いに来たんだけど広すぎて迷っちまったんだ」

「何で自分に……」

「お前ここの学生だろ? それにお前しかいないし、な、案内してくれよ」

 そう言ってそいつはウィンクしてみせた。

 しかも、自分の目をちゃんと見ながら。

 どうして、どうしてこいつは。

 急に眩しくて目を開けていられないほどの光が入ってきた。

 何が何だか分からないでいると、少し光は弱くなって、何故か体が重くなった。

 訳が分から目を開けると、さっきよりは強くないが眩しい光が目に入ってくる。

 しばらく待つと、光で真っ白だった視界に色が戻ってきて周りがよく見えるようになった。

 見覚えのある白い場所だ。また自分はベッドに寝かされているらしい。

 だが、どうしてこんなところにいるのか。全く覚えがない。

 確か、家族を貰った。それから、一体何がどうなって……。

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慈雨 - この壊れっぷりがたまらないです!本当に大好きです!頑張って下さい! (2018年8月1日 21時) (レス) id: 15d4cc16a2 (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ@38(プロフ) - コメント失礼します。とても引き込まれ、次へ次へと読み進めてしまいました。更新、頑張ってください (2018年6月3日 9時) (レス) id: 367ddc4bce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ピペットくんのぶっ飛び具合、たまりませんヾ(´∇`)ノ それに、駒込ピペットから名付けるなんて羨ましいほどのセンスの高さ!素敵です!これからの展開も、楽しみしています! (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2018年5月13日 20時

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