同じお願い ページ37
警察官は少し怯えたような顔をしながら、持っていた大きめの封筒をこちらに投げつけた。
「依頼だ。詳細はその封筒の中に入ってる」
「へぇ、またかぁ。最近頻度高くない？ そんなに都合悪い奴いるの？ いやー、警察も信用できないね」
「……とにかく頼んだぞ、殺してくれ」
「分かってる分かってる、僕だって捕まりたくないもんね。それよりさぁ、お前つまんないよ」
警察官の顔がひきつる。
「どういうことだ？」
「だってさあ、もっと面白く頼めるでしょ？ お前つまんなすぎ、殺すよ？」
僕が血だらけのナイフを構えると同時に、警察官は腰につけたホルダーから拳銃を出して構えた。
しかし、警察官の手は震えている。あの感じじゃきっと撃つことはない。
「近付いたら、撃つ」
「ふーん。なら撃てよ、その代わりお前らのごみ処理屋はいなくなっちゃうよ？」
そう言うと、警察官はニヤリと笑った。
「お前の代わりぐらいいるさ。そいつにも同じことを頼んでる。お前より綺麗にやってくれるしな」
「は？ どういうこと？ 僕だけじゃないの？」
「本当はあいつだけで十分だって言ったけどな、親父があいつは信用できないからお前にも頼めって言うから嫌々来たんだ」
「ふざけんな。僕だけでいい、人を殺すのは僕だけでいいはずだ！」
そうだ。人を自由に殺せるのは僕だけで十分だ。
それに同じ奴を殺すよう頼んだ？ 僕はもう不要だって言いたいのか？
「おい」
「……何だ」
「そいつはどんな奴だ。僕よりすごいのか？」
「すごいかどうかは分からない。簡単に言えばあの連続行方不明事件の犯人ってとこだ」
じりじりと後ろに下がりながら警察官が言う。
きっと、逃げようとしているんだろう。けど正直言って目の前のこいつはもうどうでもよかった。
「へぇ……、そうか、そいつもお前らの味方か……」
「あぁ、そうだ。殺すなよ、俺の友人でもあるからな」
「ふん。殺さないさ、出来るだけ我慢するよ」
本当は出会った瞬間にでも殺してやりたいが、ここは嘘を吐いておく。
正直に殺すと言えば、出会うチャンスを潰されてしまうだろう。
「じゃあな、お巡りさん。早速この封筒の中身の奴殺してくる」
警察官に背を向け歩き出す。歩きながら封筒の中身を取り出し、内容を確認する。
アダム・ミレニアル。この間不正取引の疑惑がかけられていた奴だ。
ここから近いところに住んでいるらしい。
早足でそいつの家へと急いだ。
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慈雨 - この壊れっぷりがたまらないです！本当に大好きです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 21時) (
レス) id: 15d4cc16a2 (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ@38(プロフ) - コメント失礼します。とても引き込まれ、次へ次へと読み進めてしまいました。更新、頑張ってください (2018年6月3日 9時) (レス) id: 367ddc4bce (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - ピペットくんのぶっ飛び具合、たまりませんヾ(´∇｀)ﾉ それに、駒込ピペットから名付けるなんて羨ましいほどのセンスの高さ！素敵です！これからの展開も、楽しみしています！ (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2018年5月13日 20時
