悪徳 ページ29
自分のことをペラペラ話されて、クラウディは相当焦ったようだった。
「へぇ、いいなぁ家族。幸せか？」
「お前にはやらないからな」
出来れば欲しいと思ったが、今回は諦めた方がいいだろう。
でも、機会があれば……。
「マダアリマスヨ？」
「ムーンちゃん、もう言うなよ。どこで誰が聞いてるかわかんないからな」
クラウディは唇に人差し指をあて、ムーンを睨み付けた。
「ははは。じゃあ後で俺にこっそり教えてくれ」
「了解シマシタ」
「だから誰だろうと教えちゃ駄目なもんなんだよ！ ホントに逮捕するぞお前！」
「何も悪いことしてないのにか？ そりゃ酷いぞ」
「自分がどんな悪いことやってきたかぐらい覚えてるだろ」
悪いこと？ 記憶を探るが、これと言って思い当たることはない、はずだ。
あれだって、別に悪いことじゃない。
「あー、分かんねぇ」
「嘘だろ……」
「えとわーるハ分カッテイルノデスカ？」
「あぁ、知ってるよ。警察だからねぇ」
「知ッテイテ何故？ 警察ナノニ、あしっどヲ見逃ス理由ハ？ ダカラ貴方ヲ調ベタノデスガ、ヨク分カラナカッタ」
しばらくの沈黙の後、クラウディは思いっきり吹き出した。
「ふははははは！ そうか、だから調べたのか。でもな、ムーンちゃん、警察だからって正義って訳じゃないんだよ」
「ドウイウコトデスカ？」
「基本的にこいつは何をしても見逃してやる、その代わりにこっちに都合の悪い人間を消してもらってるんだ。いい協力関係だろ？」
「警察側ニ損ガ多イノデハ？」
我慢できず、タルトを食べ始める。
二人が話していることがいまいち分からない。でもそれは、分からなくてもいいことだろう。
美味しい。一日以上何も食べていなかったから余計に美味しく感じる。
「あ、食い始めてる」
「別にいいだろ。そっちで話してろよ、俺は静かにケーキ食ってるからさ」
「ふん、まぁいいか。えっと、どこまで話したかな？」
「貴方側ニ損ガ多イノデハナイカ、トイウトコロデス」
「けどさ、好きなようにたくさんさせてた方がすぐ死刑にできて口封じが楽なんだよ」
「ソンナモノデスカ」
「それに親父は警察署長でこの事を知ってるっていうか、親父の指示だし、権力使って簡単に証拠とか消して誤魔化せるからな」
「警察ハドコモソウナノデショウカ？」
「でもまぁ、連続行方不明事件を解決するんだ、って躍起になってる子が俺の部下にいたから全部が駄目って訳じゃない」
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慈雨 - この壊れっぷりがたまらないです！本当に大好きです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 21時) (
レス) id: 15d4cc16a2 (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ@38(プロフ) - コメント失礼します。とても引き込まれ、次へ次へと読み進めてしまいました。更新、頑張ってください (2018年6月3日 9時) (レス) id: 367ddc4bce (このIDを非表示/違反報告)
柳(プロフ) - ピペットくんのぶっ飛び具合、たまりませんヾ(´∇｀)ﾉ それに、駒込ピペットから名付けるなんて羨ましいほどのセンスの高さ！素敵です！これからの展開も、楽しみしています！ (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衛生兵079 | 作成日時：2018年5月13日 20時
