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来客 ページ26

背中の痛みと玄関ドアを叩く音で目が覚めた。

 何か夢を見ていたような気がするが、水中のようにぼんやりとして思い出せない。

 いつもは結構覚えている方なのに、思い出せないときに限って背中が痛む。きっと、覚えてない方がいい夢なんだろう。

 まだ眠っていたいが、ベッドから起き上がり壁に掛けられた時計を見ると、まだ朝の8時だった。

 この時間に一体誰だろう。それより、早く出てやらねば。客を待たせるわけにはいかない。

 玄関まで来ると、ドアの前にムーンが立っていた。

「あ、そうか。お前いたんだ」

 確か昨日、連れ帰ってきてここに住むよう言った気がする。

 眠かったから頭も回っていなかったし、よく覚えてはいないが。

「人ガ来テイマス」

「あぁ、知ってる。誰が来てる?」

「警察官ノヨウデス」

「警察ぅ? 一体何の用だってんだよ」

 覗き穴から外を見ると、確かに警察官のようだが、自分がよく知っている人物だった。

「あぁ。あいつか」

「知リ合イデスカ?」

「うん。こいつめんどくさいから居留守使おうぜ」

 ドアがいっそう激しく叩かれる。

「聞こえてるぞ! いいから開けろ! あと女の子の方紹介してくれ!!」

「めんどくさそうだろ?」

「確カニ」

「いいから開けろって!」

 しょうがなく開けてやると、そいつは遠慮なしにずかずかと中へ踏み込んできた。

「失礼な奴め」

「お前に言われたくないよ! ったく……、あ、君可愛いね、でもまだ子供だよね? お菓子あげるよ、あいつより僕ん家こない?」

「ア、ソノ……」

 ムーンは戸惑っているようだった。じりじりと近づいてくるそいつから距離を取り、自分の後ろに隠れた。

「ナンカ、苦手デス」

「えぇー」

「ははは、クラウディは振られてしまいました。ってね、ばーか」

「ふん。今回はお前に譲ってやるよ、レイン。お前を避けない奴はそうそういないからな。それに機械は守備範囲外だ」

「これは人間だ」

「家族ごっこは卒業してお人形遊びか? まああれも人形遊びみたいなもんだったが」

「……せっかく来たんだ、とりあえず座れよ」

 キッチンに置かれた小さなテーブルの椅子にクラウディを座らせて、自分はその向かいに座った。

 ムーンは椅子を持ってきて、空いたところではなく何故か自分のすぐ隣に陣取った。

「誰デスカ、コノ男ハ」

 クラウディに聞こえないようにか、小声でムーンが言う。

「あぁ、こいつ」

「聞こえてるんだけど……」

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慈雨 - この壊れっぷりがたまらないです!本当に大好きです!頑張って下さい! (2018年8月1日 21時) (レス) id: 15d4cc16a2 (このIDを非表示/違反報告)
ネギトロ@38(プロフ) - コメント失礼します。とても引き込まれ、次へ次へと読み進めてしまいました。更新、頑張ってください (2018年6月3日 9時) (レス) id: 367ddc4bce (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ピペットくんのぶっ飛び具合、たまりませんヾ(´∇`)ノ それに、駒込ピペットから名付けるなんて羨ましいほどのセンスの高さ!素敵です!これからの展開も、楽しみしています! (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4785678acf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2018年5月13日 20時

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