天使と悪魔 1 ページ2
おかしい。
これまで何回か悪魔狩り共と戦ったことはあるが、今回の連中は何かがおかしい。
悪魔狩りが悪魔を呼び出した。という時点でおかしいことだったが。
数が多すぎる、それに弱すぎる。
100人以上はいる。
ど田舎の廃校で、相手が悪魔だからってこんな数見たことない。
今までは少なくて10人多くて50人ほどで、全員が祝福とやらを受けた銃を装備し、そのうちの隊長格の1人が悪魔の力を封じることのできる最も強力な武器を持っていた。
1人1人が訓練を積み重ね、悪魔狩りのために人生を捧げてきたような奴らで、弱い悪魔ならば1人でも倒せるような連中だ。
そして追い詰められ、死にかけたことも、１度だけだがあった。
それなのに今回の連中は、全員普通のどこにでもあるような銃を装備し、あまり詳しくない自分から見ても扱い方は素人同然で一発も当たらないどころか味方に命中させる始末。
連携なんて全く取れていないから、すぐにあっさりと殺せてしまう。
その辺にたむろしているガキの方が強いんじゃないかと思ってしまうくらいに、そいつらは弱かった。
朽ちかけた体育館のステージ上に立ち、いつものように影を操り相手をする。どうせ弾は当たらないし、簡単に防げるので自身が動く必要はない。
ただそこに立って、哀れにも死んでいく人間達を楽しく見ていることができた。
1つ、また1つと死体が積み上がっていく。
四肢をもぎ取って、内臓を引きずり出して、地面に叩きつけて、壁ですりおろして、縦に裂いて、串刺しにして、雑巾みたいに絞って、頭蓋骨を砕いて、全身の皮を剥ぎ取って、脊髄を引っこ抜いて、心臓を潰して、様々な方法で人間を殺す。
仲間が次々と残酷に殺されていく中での行動は人それぞれだった。
ガタガタ震えて動けなくなる人間、勇敢に立ち向かってくる人間、銃を放り出し一目散に逃げようとする人間、命乞いをする人間、神に祈りだす人間、気が狂ってしまった人間。
誰一人として見逃すことはなく殺す。
より苦しむ方法で、より自分が楽しめる方法で。
そうして殺して、いつの間にか生きている人間は一人もいなくなった。
「腹減ったな……」
独り言。
自分の影を広げ、殺した人間達の魂を、死体や装備品まで全てを飲み込む。
空っぽだった腹が満たされる感覚と、力が満ちるような不思議な感覚が身体中に広がる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 12人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
P様さん - ドーナツの所可愛すぎてめっちゃ好きです！更新楽しみにしてます……！ (2023年4月17日 22時) (
レス) @page30 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
降臨の颯 - 続編おめでとうございます。これからも応援しています。 (2022年2月25日 21時) (レス) @page4 id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：衛生兵079 | 作成日時：2022年2月25日 1時
