烈火 9 ページ35
「いや、それだけじゃ駄目だ。自分の弱点を知らない馬鹿も、そこを守らない馬鹿もお前以外にいるわけ無いだろ。ただ心臓を狙うだけじゃ悪魔は殺せない」
「じゃあ、どうするの?」
「もう一つの弱点を探すんだ」
モノクロはそう言って今度は俺の頭を指さした。
「弱点っていっても、命に関わるようなもんじゃない。例えば、虫とか、野菜とか、誰にだって大嫌いなものの1つや2つあるだろ、それを使う」
「大嫌いなもの……」
「お前の場合、聖水とか十字架とかが駄目だったな」
教えても、その素振りも見せていないことを言い当てられ、ドキッとした。
なぜ知っているんだ?
モノクロはこちらの考えていることが分かっている、といった顔で満足そうにこちらを見ている。
「確かに、そう、だけど……」
「触れれば体に火傷のような傷を負う。だから苦手。あっているだろ?」
その通り。黙って首を縦に振る。
「とにかく、怪我を負ったり、見ると動けなくなったり、それがあると力を使えなくなったり、そいつの行動を大幅に制限してしまうものが必ずあるんだ。それを利用して隙を作り心臓を破壊する」
「まずはレフトを見つけて、そっから弱点を探すって感じですか……」
「あぁ、だからそれを貸した。それを身に着けている限り、多少の火なら問題ない。アイツの弱点を探し出して追い詰めるんだ」
少し緩んだネクタイを直しながらモノクロが言う。
「動きをよく見ろよ、何を避けたか、何に視線をやったか、何に反応したか、何を嫌がったか。相手を、敵をよく観察するんだ。そうすれば、弱くても勝てる」
「100パーセント?」
俺がそう聞くとモノクロは少し目線をそらした。
「え?」
その反応に少々不安になる。
「冗談だ。お前一人なら駄目だったろうが、お前はこの俺と契約してるんだ、必ず勝てる。勝たせてやる。それでアイツの魂を食って、順位を上げるんだ」
そう言いながらモノクロはコンテナ上の通路とは反対側の位置に移動した。
俺もそれに続いて移動してモノクロの観ている方を一緒に見る。するとコードが一本伸びてきてある一箇所を指した。
「あの黄緑のコンテナの中、ガキも一緒だ」
すぐに黄緑のコンテナは見つかった。どこかの企業のロゴが入ったそのコンテナの中にレフト達がいる……。
「分かった、まずはあそこに向かえばいいんだね」
「あぁ、援護するからさっさと行け」
その瞬間俺は後ろからものすごい力で突き飛ばされた。
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凪 - ネタ帳からきました。待ってやっぱりモノクロ好っきぃ!!! (2021年12月25日 21時) (レス) id: 7248708266 (このIDを非表示/違反報告)
ふな(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2021年7月24日 20時) (レス) id: eed263cb5f (このIDを非表示/違反報告)
Cry cry - 続きが楽しみです。がんばりんごー! (2021年6月22日 16時) (レス) id: 72089608d6 (このIDを非表示/違反報告)
ソウルズ(カービィ)LOVE(プロフ) - ワーッ!(?)どうも!はじめまして!読ませて頂きましたが、すんごく面白いです!頑張って下さい!応援してます! (2021年6月18日 21時) (レス) id: 604407214b (このIDを非表示/違反報告)
まきぴろん(プロフ) - 遅れてごめんなさい(汗)完成しました!!ありがとうございました。 (2021年1月4日 12時) (レス) id: 24af0dff4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衛生兵079 | 作成日時:2020年11月2日 14時